朧月夜の独り言

趣味に関する備忘録と少しの日常

舞台刀剣乱舞 灯

「科白劇 舞台『刀剣乱舞/灯』
綺伝 いくさ世の徒花 改変 いくさ世の徒花の記憶」

観てきました。
自粛明け最初の観劇。
当初の公演から内容を変更して、感染症対策も大変な中
それでも公演を打ってくださったことが嬉しかった。
無事に千秋楽まで完走できることを祈っています。

久しぶりの観劇…自分ではあまり意識していなかったけど、心は相当
枯渇してたみたいで、オープニングで舞台を生で見ている実感が
湧いてきて、感極まって泣いてしまった。
やっぱり舞台は楽しいし、自分にとって大切なものなのだと実感…。
趣味と離れてても意外と大丈夫だなと思ってたけど、そうじゃなかった。

オープニングは講談師さんの語りから。
ソーシャルディスタンスを守って、マスクをつけながらのお芝居だけれど
想像力でマスクは無いものと思って...と、
在るものを無いように、無いものを在るように、
舞台はお客さんの想像力も含めてのコンテンツだよなぁと改めて思いましたね。

刀剣男士は内番服姿で登場。
そして講談師さんは新しい「刀装」として紹介(笑)
歌仙が取り出したのは主から預かった「他の本丸の慶長熊本の特命調査の資料」。
今作は、刀剣男士と講談師が語る「他の本丸の物語」だということが明かされる。
この「刀ステ本丸」も慶長熊本特命調査を終えた後のようで、
他の本丸が経験した慶長熊本を語りながら、自分たちの経験との
違いなどを話していく構成。
今回はある意味一人二役(この本丸と他の本丸の刀)なので、
観ている側も今はどちらとして話しているか、少し頭の切り替えが
必要なのが難しくも面白かった。

「科白劇」、朗読劇のようなシンプルな感じなのかな?と思っていたら
立ちっぱなしではなく歩いたり、殺陣があったり、距離感や動線
考えられた上で、最大限自然なお芝居になっていて、想像以上に
いつもの舞台で驚いたし、嬉しかった。
近づけないので、対面ではなく横並びでの会話だったり、
殺陣も映像を使っての演出だったりするけれど、講談師さんの迫力のある
語りと、工夫を凝らした演出で刀ステの世界に浸れました。


ストーリーはちょっとまだ頭の中でまとまっていないので割愛。
もう一回観劇予定なので、それが終わったら書こうかな。
ひとまず、登場人物の感想を簡単に。


古今伝授と地蔵はゲームと同様、先行調査員として最初は本隊と別行動。
古今伝授@塚本さんは、ゲームの古今と声色が似ていて、ゆったりした
話し方が素敵。
ゲームで全身立ち絵ってあんまり見る機会無いけど、改めて古今の衣装
すごいな…美脚。
歌仙とのやり取りも多くて楽しい。
セリフとしては含みがあったり嫌味っぽかったりがあるけれど、
昔馴染みとして気心が知れている雰囲気が出ていて、嫌な感じがしない
のが良かった。

地蔵@星元さんは別の舞台で拝見したことありますが、今作でも
美しい見た目と、信念のあるお芝居が最高でした!
特にクライマックスの、ガラシャ姉弟の関係は終わりだと告げられ
戦わなければならなくなった地蔵の切なく、取り乱す姿。
星元さんの熱いお芝居が大好きなんですよね。
ガラシャを助けたいともがく地蔵の姿、虚伝の不動とかを思い出す…。

歌仙@和田さん、今まで刀ステを見てきて和田さんの歌仙がとても好き
なので、続投がまず嬉しい。
今回は部隊長としてしっかり者なところが垣間見えたのが楽しかった。
「他の本丸の物語」がメインなので、刀ステ本丸の歌仙としてのシーンは
短いけど。
今回の殺陣で、上から刀を振り下ろす?ような場面があり、
相変わらずの力強い歌仙が最高でした。

長義@梅津さん、慈伝ぶり!
梅津さんの長義もまた観たかったので、再登場嬉しい。
歌仙も長義も、倶利伽羅やまんばちゃんが居ると喧嘩腰になっちゃうけど
他の男士とはわりと仲良くやっているところが可愛い。
亀甲に嘘をついて情報を得るのも作戦だと言われ、長義も素直に作戦に
のっかるところとか本当に可愛い。

刀ステ本丸の刀としては、獅子王、亀甲、青江、篭手切が今作で初登場。
獅子王@伊崎さん、小烏丸の真似がうまい(笑)
おとなしめのキャラが多いので、獅子王が明るく振舞ってくれて和む。
亀甲@松井さん、動きや所作が綺麗で、殺陣で裏地が見えるほどマントが
ふわりと翻るのが良かった。
青江@佐野さん、別舞台で拝見したときは役どころ的にも可愛い印象
だったけど、今作では見事に美しい青江で驚き。
歌仙と一緒のシーンも多くて嬉しい。
篭手切@大見さん、獅子王に振り回されたり、歌仙に「歌」について
聞かれてあたふたしたり、可愛くてイメージ通り。

刀ステ的には、本丸の違いでどのくらい性格に差がでる設定なんだろう。
「他の本丸の男士」も「刀ステ本丸の男士」も、今作の感じではあまり
差がないように感じた。
一人の役者さんが演じているということもあるだろうけど。

ガラシャ@七海さん、美しいガラシャ様。
凛と知的な佇まいでありながら、地蔵と姉弟のような可愛いやり取りや、
細川忠興への深く複雑な愛憎、改変の核としての儚げな雰囲気、
自ら武器を持つ姿は刀剣男士に引けを取らないカッコよさ。
色々な感情が揺れ動いていて、色々な一面が垣間見えて、魅力的な
ガラシャ様でした。
女性キャストを入れるというのは思い切った決断だったと思うけれど、
このキャスティングで、この物語を観れて本当に良かったと思いました。
後半の、宝塚さながらの白×金パンツスタイルのお衣装も素敵!

細川忠興@早乙女さんや、黒田官兵衛@山浦さんは過去作からの続投。
刀剣男士だけでなく、歴史上の人物も再登場・続投されて
過去の刀ステの物語とリンクする部分があったりして、
刀ステの物語に繋がりが生まれたのが面白かった。
他の本丸が出陣した先で語られる、刀ステ本丸の物語。
また考察のネタになりますね…。


印象に残ったところだけ箇条書き
・地蔵の「姉上」呼びはガラシャからの指示で、照れながら姉上呼びを
 する地蔵が可愛い。
 (姉上と呼んでくれたら一緒に逃げるという取引)
キリシタン大名は鵺のよう、と表現。
 定説と諸説が混ざり合った存在。
 維伝の「朧」も、もしもという諸説の存在だったけれど、同じなのか?
ガラシャの気持ちを誰も推し量ることはできないという地蔵に対し、
 だからこそ歌があると言う歌仙。
 彼女の気持ちも、彼女への気持ちも、歌という形に込めることで昇華する
 という風に捉えたけど合ってるかな。
 細川の刀たちらしい締めで美しかった。
・古今伝授が「世の中に絶えて桜の…」の伊勢物語の歌を詠むところが良かった。
 桜(花)をガラシャや人間に例えているように聞こえて、人間の儚さに心を寄せる
 古今伝授が美しかった。
・長義に書物を渡そうとしたところを、ソーシャルディスタンスと
 たしなめられて、書物をポイと投げる歌仙が可愛い。
 刀ステ本丸の歌仙の、ちょっとしたことでプイっとするのが好き。
・ラストの、歌仙から主への報告。
 この本丸の慶長熊本調査の話をまた聞きたいという主に対して、
 「2020年で大変なことが起こっているから、これが片付いたら
  聞かせる。いつか必ず」と答える歌仙。
 いつか必ず…待っています。
・見切れ席だったので、舞台袖の奥でちらりと歌仙のマントが見えたのが
  なんだか可愛かった。