朧月夜の独り言

趣味に関する備忘録と少しの日常

映画ギヴン

映画「ギヴン」観てきました。
TVシリーズがとても面白くて気に入り、待ちに待った映画。
公開おめでとうございます。

TVシリーズが高校生組の二人の話で、映画は春樹・秋彦・雨月の大人組の話。
大人組はTVシリーズのときから気になってたけど、明らかに泥沼切ない雰囲気が漂っていて、観るのが怖くもあり…でも、観てよかった、最高でした。

時間軸はTVシリーズ直後くらい?
まだ夏の、暑い頃から。
お互いの音楽のため秋彦が離れていくよう仕掛ける雨月。
雨月と喧嘩して家を出て、八つ当たりのように春樹を抱こうとする秋彦。
秋彦の行動に怒りと失恋を感じつつ、バンドメンバーとして秋彦を家に泊める春樹。

私は、自分のことより周りを優先しちゃう世話焼き・苦労性・オカン・バランサー…みたいなキャラに「もっと自分のことを考えて幸せになってくれ」と思って肩入れしてしまう性格なので、もう、何度「春樹!」と心の中で叫んだことか。

TVシリーズでは見えてこなかった、予想以上の雨月と秋彦の両想いっぷり。
この二人の関係は破綻しててセフレなのかなと思ってたけど、離れなければと思いながらも手放せない雨月と、振られてセフレみたいな状態になっても未練を断ち切れない秋彦。
セフレだと思い込んでるだけの両片思いというか、ここに春樹の入る隙はあるのか本気で心配になるくらい両思いじゃん…と思ってしまった。
音楽がなければ出会わなかった二人だけど、音楽のために互いを切り捨てなければいけない天秤が辛すぎる。
雨月はもっと悪い男かと思ってたので、ただ想いを伝えるのが苦手で不器用なんだとわかって好感度急上昇。
秋彦を手放したい理性と、手放せない感情でぐずぐずになって…雨月も幸せになってほしいと願ってしまう。
感情が顔に出にくいとか、真冬にヘラリと自分の過去を話したりしていた分、クライマックスの別れ際に見せた泣き顔が際立って切ない。

秋彦は存分にタラシというかヒモっぷりを発揮して、悔しいけれど庇護欲を掻き立てられて憎めない。
それに、ホント悔しいけど、TVシリーズからずっと秋彦かっこいいんだ…。
メイン楽器がバイオリンってのもずるい、あのビジュアルでクラシック楽器ずるい。
きっと春樹もこういう気持ちなんだろうなと勝手に共感。
雨月への未練、音楽への気持ち、春樹の好意、逃げていた色んなものと向き合って、最後は「俺と付き合ってください!」の真っすぐな告白が愛しい、可愛かった。

春樹…良かったね。
秋彦に同居人がいるのを知って、無理やり抱かれそうに(抱かれた?)なって、失恋して、泣きながら家を出て、髪切って、それでも家に帰ると秋彦が居て。
高校生組の天才ぶりを目の当たりにして、元カノのバンドからオファーがきて。
ボロボロになって不機嫌になり周りに心配されつつも、それでも必死に表では理性で気持ちを抑え込んで、迷惑かけないようにしてるところがもう切なくて、「幸せになってくれ」のツボに入る。
最後の最後、桜が咲き始める春の頃、やっと報われて本当に良かった…!

高校生組のいちゃつきもちょっとだけ混ぜ込まれてて可愛かった。
二人はTVシリーズで諸々を乗り越え、仲良くやっているようで微笑ましい。
立夏が「おいで」と言って真冬を抱きとめるシーン、真冬の顔は描かれてないんだよね。
どんな表情・仕草をしてる真冬を見て「おいで」が出たのか、想像が膨らみます。

三角関係で切なくはあったけど、みんな不器用なだけでピュアで、想像してたよりドロドロにならず甘酸っぱい感じで楽しかった。
TVシリーズのときもだけど、途中ギャグパートというか和むシーンもあり、60分で物語はスッキリまとまりつつ、感情はぎゅっと詰まってて観やすかった。