朧月夜の独り言

趣味に関する備忘録と少しの日常

刀ステ 天伝②

「舞台刀剣乱舞 天伝 蒼空の兵 -大坂冬の陣-」行ってきました!

無念の機材トラブルから約1ヶ月、やっと全部観れました(笑)
振替えで用意してもらった座席が偶然か配慮くださったのか、前回と近い席で嬉しかった。


1幕は前回感想書いたので割愛。

2幕は冬の陣開戦後がメイン。
敵・弥助の狙いは刀剣男士と戦い、斬ることで強制的に刀に逸話を持たせ、刀剣男士を顕現させること。
戦えば弥助の思惑通り、しかし戦わなければ歴史改変されてしまうという状況の中、豊臣陣営・徳川陣営・真田丸それぞれの元に向かう刀剣男士。


冒頭の弥助と真田信繁の会話は大阪から下知が下りしだい九度山から…と言っているので、大阪城に来る前の弥助と信繁の出会いか。

一期・鯰尾・骨喰・宗三、そして太閤左文字の合流により宗三と太閤の(刀剣男士としての)初対面!待ってました!
刀としては豊臣に一緒にあったということで、想像以上に仲良しで可愛い。
宗三の、江雪や小夜と接する兄弟感とはまた違って、昔馴染みと会ったテンションの上がり方が新鮮。

加州と山姥切は傷の応急手当中。
シャツの前は開けてても布は取らないまんばちゃんの格好がなんとも言えない。
加州の上着OFFが見れたのは嬉しい。
舞台で真剣必殺以外で衣装の一部OFFって珍しい気がするな。
加州も長く本丸に居る刀剣男士のようで、なぜ近侍が山姥切だったのかという話題に。
「(山姥切が)壊れてしまいそうで。代わろうかと何度も出かかった」というような加州のセリフが印象的で、山姥切をそういう風に心配してくれる仲間がいてくれたことが嬉しかった。
山姥切には荷が重いとか、主に応えられないとかじゃなくて、「山姥切が心配」って思ってくれる刀がずっとそばにいてくれたことが。
他の刀も思っていたかもしれないけれど、「始まりの五振り」仲間の加州が見守っていてくれたことが何だかとても良かったなって思った。

全員合流し、豊臣には一期・鯰尾・太閤、徳川には加州・骨喰、真田丸には山姥切・宗三が向かうことに。
まさかの全員真剣必殺。
豊臣に関係ある刀はするかなと思っていたけど、加州や山姥切までとは。
山姥切の真剣必殺は公演としては悲伝が初出しだけど、時系列的にはその前にしてたんだね。
座席がぐるっと一周して各所で戦う刀剣男士が観れるけど、アンサンブルさんは客席と一緒に動いて刀剣男士全員と戦わなきゃいけないから大変そう。
あと、可動式の坂が急で、上り下りとか見ていてちょっとハラハラした。

豊臣方では太閤が「豊太閤は大きく広く、蒼空のような人。そして秀頼も一期も蒼空のよう」だと皆に語る、今作のタイトルに繋がる部分。
太閤はここで、自分はこれを伝えにこの時代に来たのだと悟ったけれど本当にそれだけだったんだろうか…?
最後まで太閤がここに来た明確な理由は明かされなかったことが気になる。
ジョ伝で時間軸が重なったときは、閉じていた経路を再び開いたんだっけ。
歴史改変阻止のために経路を開いて刀剣を送り込むなら単騎では行かせない気がするけど、一人で来たとしたら改変阻止以外の目的が主にあったのかなぁ。

鯰尾、この前1幕だけ観たときは柔らかくて温厚な雰囲気だなって印象だったけど、今日2幕まで観て、内に悲しみを秘めてる儚さを感じた。
一期や骨喰がネガティブ寄りになりがちがだから、鯰尾は意識して悲しさとかつらさを押し込めて明るく振舞ってるような印象でちょっと心配になる。

徳川方は加州のシーンが最高でした、2幕ではこのシーンが一番好き!
大阪の陣と直接関係がない加州が今作で絡む部分といえば、江戸幕府を開いた家康かなとは思っていたけどこんな熱いシーンが観れるとは。
戦い(の中での死)を望む家康に対して、生きてくれなければ困る、この歴史の先に沖田総司がいる、自分と沖田との出会いがあると、刀剣男士としての使命と沖田への感情が目いっぱい込められた叫びがたまらない。
幕末好きとしてこの江戸幕府の始まりが幕末に続いていくっていうのとても理解・共感できるし、加州の沖田と出会う歴史を変えさせないという強い意志と必死さが苦しくもありかっこ良くもあり。
沖田総司の刀であるということが加州にとって大切なものだというのが伝わってくる。とても良かった。特命調査やってくれ。
あと、加州の姿勢低めの殺陣が男前でかっこいい。

真田丸は弥助対山姥切、信繁対宗三。
弥助は時間遡行軍を取り込み、人でも時間遡行軍でも刀剣男士でもなくなった自分を「朧」と言ったり、信繁が「九十九刀」を持っていたり、過去作で使われた言葉が色々と出てきて気になる。
維伝の朧は、諸説やこうあってほしいという願いから生まれた実在しないものという感じなので、今作と言葉の意味はだいぶ違うけれど…何者でもないという意味ではある意味共通しているか?

今作は真剣必殺しても劣勢・重症のような描写が多い気がして緊張した。
太閤が未来の本丸で会ったということは折れないんだろうなと思いつつ、本丸に居る刀がいま出陣してる刀と同一個体とは限らないし、とか考え始めるとドキドキ。
無事に全員乗り切れて良かった…。

そして逸話を刀に宿して刀剣男士として顕現させるという実験は失敗。
弥助の刀は生まれた瞬間から崩れ始める刀剣男士の出来損ないに。
真田十勇士の刀は顕現もされず…そもそも顕現の力を持つ「審神者の手」は弥助しか持っていなかったから十勇士の顕現は不可能だったのでは。
ラストで阿形吽形が顕現させると言っていた?二人はそれができるのか?
弥助から大阪夏の陣での死という未来を聞かされ、家臣を犠牲にしてまで弥助の策に乗ったにも関わらず失敗に終わった信繁の叫びが苦しい。

歴史に一矢報いると言い、夏の陣での死を待たずに自害した信繁のものとに現れる「脇差」と「槍」。
槍が信繁の影武者として歴史を繋ぐことに…そんなことできるのか。
二振りは政府権限での顕現で、三日月の監視のためにやってきたというのも驚き。
ゲームでの実装は連隊戦の報酬だったので、政府権限の顕現とかも舞台のオリジナル設定ですね。
「どこの本丸の三日月も」と言っていたけど、刀ステ本丸だけじゃなくどの三日月も結いの目の可能性を持ってるんだっけ。
夏の陣、やっぱり結いの目の話とかも出てくるのか…つらい。。
他の刀剣男士は三日月が結いの目ということを知らなかったから、三日月が一人で色々抱えることになるのか。

悲伝といえば、今作の弥助戦での山姥切のセリフが気になる。
弥助や歴史上の人々に史実通りの悲しみを負わせることに対して、「自分(刀剣男士)だけがそれを逃れられるとは思ってない。失う悲しみを受けたとしても前を向いて歩き続ける」というようなことを言っていたのが印象的。
何かを失って悲しんでも立ち上がって前を向くと、悲伝の前に宣言してる。
修行に出た山姥切は闇落ちしてるのではないか…とかも考えたけど、このセリフで山姥切は道を踏み外していない希望が少し見えた。
これは悲伝の前だから、実際に三日月を失った山姥切がこの心境のままとは限らないけど。
別れ際の太閤が「主は山姥切がいつか帰ってくると信じている」と言い残していたので、主が待ってるということも修行中の山姥切の心に残ってるといいな…。

そういえば1幕で、なぜ歴史を守るのかと聞かれた山姥切が「本能」と答えてましたね。
本能の話は維伝からだと思ってましたが、すでに山姥切はここで言ってたのか。
虚伝の不動とかを見ていると、歴史を守ることが理性、元主を助けたいという気持ちが本能のようにも見えるけど。
今作でも鯰尾と一期の会話(ゲーム回想シーン)、「ここで歴史を変えれば」「それでは敵と同じになってしまう」は結構頭を納得させて歴史を守ってる印象。
今作でも刀剣男士を形成するのは語り継がれた逸話という話があったけど、歴史が変われば逸話も変わるから自分の逸話(身)を守るという意味での自己防衛の本能とかもあるのかなぁ。