朧月夜の独り言

趣味に関する備忘録と少しの日常

フィスト・オブ・ノーススター再演①

ミュージカル 「フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~」
去年末から今年初めにかけて行われた公演の再演。

8か月ぶりの爆速再演、ありがとうございます!
年末から狂ったようにハマったこの作品がこんなに早くまた観れたことは純粋に嬉しいです。

公演期間が東京1週間と短いのが残念ですが、短期間がっつり楽しみたいと思います。
残り平日公演しかありませんが、気になっている方はぜひ行ってこの世界を生で体感してください。

初日感想です。ネタバレあり。



ダブルキャスト
ラオウ福井晶一さん
ユリア:平原綾香さん
ジュウザ:伊礼彼方さん
シン :植原卓也さん
リン:山﨑玲奈さん


主に初演との変更点中心に。

オープニング、曲がかかって星が巡り出した瞬間、世紀末に来た…!と一気に気持ちが上がる。
今回、曲はカラオケなので生オケに比べると音楽的には少しだけ物足りなさを感じてしまう…初演の生オケの盛り上がりを知っていると一層。

宮川さんのリュウケンは、歌のところどころをセリフのように発声されていて風格がある仙人のようなリュウケン
初演の川口さんのリュウケンは物理的な強さで圧倒する感じでしたが、宮川さんは気迫で圧倒する印象。
ユリアが登場し、三兄弟それぞれと相対するとき、小西さんの時はユリアに触れそうなほど近くで手を差し伸べているのが、ユリアへの愛情が滲み出ていて切ない。

リュウケンを殺して去るラオウに対して、トウの「ラオウ様ー!!」は初演であったっけ?
トウ@AKANEさんはマダムレッド(黒執事)のようなかっこいい女性のイメージが強かったので、トウの可愛く切ない叫びに驚き。
この後出てくるトヨも別のベクトルで可愛く、AKANEさんのお芝居の広さを実感。

少女ユリアと出会った青年ラオウの「誰だ?」が、初演はかなり驚いた感じの「誰だ!?」だったのが、今回落ち着いた「誰だ…」になっていたのが地味に良かった。
初演のときそんなに驚くかな?とちょっと気になっていたので、今回好みの方向に変更されていて嬉しい。
シンとの対決シーンは初演と立ち位置左右反転。
フライングは低めで、その分スピード感がアップしていて良かった。
シンに愛の言葉を強要されたユリア@平原さんの、ケンシロウを守るためなら構わないという、深い愛を持った雰囲気のユリアがヒロインらしくて好き。

バット@渡邉の歌声はもう文句なしに素晴らしい。
子役さん(何歳までを子役と呼ぶのだろう?)は再演してもキャスチェンになる可能性高いから、このタイミングで再演してくれて、続投してくれてありがとう。
少し身長も伸びていたかな、さらに逞しくなったバットがかっこいい。
牢屋でケンシロウに手を掴まれたときの「うぎぃぃ」というセリフは再演カットかな?
漫画っぽいセリフだけど、舞台で浮かない絶妙な言い方をされていて結構好きだったので少し寂しい。

レイは結構演出変更が多かった。
石丸さんが以前「オーケストラピットが無い分できる演出も」と言っていたので、客席降りあるのかなと思い、勝手にジュウザの登場とかかなと予想していたけど笑
まさかのレイが女装して近寄ってきた男から物資を奪うシーンを客席で。
女装して騙し討ちするのは原作にもあるけど、線の細い三浦さんへのキャスチェンだから似合うシーンな気が…伊礼さん&上原さんレイでも見てみたいけど。
ケンと出会う前にレイがどんな風に生き抜いてきたのか、シーン追加で少しだけ解像度が上がる。

村も色々セリフ増減あったかな。一回じゃ覚えきれないー。
宴のダンスのシーンでは、マミヤの「踊らない?」はカット。
初演ではマミヤにユリアが重なって登場することで、マミヤとユリアが似ているという原作の設定を表現している演出も良かったけど、舞台ではビジュアル似せていなくて原作知らない人にはわからないからカットした方がスッキリかな。
マミヤに重なるように出てくるユリアが美しくて演出自体はとても好きだったけど。
代わりにマミヤはレイに手を差し伸べているように見えたけどレイはそれを断って、ケンもレイもセットの上手下手それぞれのセットの上で一人佇んでいる感じが、村人と拳法使いの戦士との差のように感じて、構図が美しかった。
マミヤ@清水さんは歌唱披露の映像などを見て、ビジュアルが可愛らしい感じなのでマミヤの女リーダーな雰囲気出るかな?と思っていましたが、めっちゃヒールの高いブーツで頑張っていてかっこよかった。
初演の伊礼さん&上原さんの男前なレイには、松原さんの大人っぽいマミヤが合っているけれど、今回の三浦さんの美形なレイには可愛らしさもある清水さんマミヤが似合う。

村を出て行こうとするケンから離れないバットを説得するところも「戦いに行くんだぞ」とセリフ追加。
初演では待っていろと言われてあっさり引き下がったように見えたのが気になっていたところ。
初演のオーディオコメンタリーだったか、あそこはケンの真剣な訴えにバットが納得したというお話を聞きましたが、セリフで補完されていてわかりやすくなっていて良かった。

カサンドラはフウガ・ライガの存在が丸々カットなのは寂しかった。
自分たちの悲しみに気づいてくれたケンに賭け、命がけで通路を守る流れはかなり胸熱だったのでもったいない。
「最後の真実」はリン@山﨑さんの歌声がさらにパワーアップした気がする。
力強くて伸びやかで感動。
この曲の客席の拍手の熱量もすごかった。

ラオウの攻撃を受けて呻くレイ。
初演はトヨのセリフの途中で結構入ってきてたように記憶してるけど、今回はトヨ・バットの別れではあまり呻かないようにしている感じがった。
二人の別れが終わって呻きだすのも、二人を邪魔してはいけないと我慢していたように感じられて違和感もなく良かった。

そして一幕ラストのケンの覚醒。
すごいとしか言いようがない。
事前にもっと進化、もっと踊ると言われていたけれど想像以上。
何かを掴むように、体を作り変えるように、ケンが覚醒していく姿…。
大貫さんの身体能力と表現力は素晴らしい、その分、ケンの背負っているもの、強さを求めて修行する姿が苦しくも見えて。
本当に圧巻。

2幕、可愛い虎ちゃんは変わらず健在でにこにこしちゃった。

リハクがジュウザを探しまわるシーンはカット。
南斗の城が終わってすぐジュウザが出てきたからびっくりした。
登場するだけで拍手が起こるのがさすが!稀に見る美男子!
伊礼さんは相変わらず自由で、心の底の悲しみを紛らわすように明るく振舞うジュウザ。
ヴィーナスの森がセットの木じゃなくて映像で木が生えてくの笑っちゃったw
初日でも手拍子が起こるの嬉しいー初演勢の同志様たち!
あと、ジュウザはラオウ戦でユリアが義理の妹という説明が追加されてましたね。

トキ・ラオウ戦は。
呼び出し制度ではなく、自然と足が向いたという演出に変更。
何といってもワイヤーアクションの変更に驚いた…天翔百裂拳…。
トキのワイヤーアクションが増えてて、空中戦が得意という設定が少しでも伝わると良い…な…。

心の翼リプライズの村のシーンでは、この村にはもう女しか残ってないという設定を聞きましたが、再演では腕を失って戦えなくなった男が一人残ってるのが。
単に女だけの村、女が洗濯しているシーン、ではなくて戦える者は行ってしまった感がある。

無想転生は何度見てもかっこいい。
ケンの後ろに4人が出てくるところも胸熱…。
からのラオウの城での氷と炎も熱い…。
何度見ても、氷と炎の曲途中で出てくるケンがかっこよすぎ。
ただ目の前の愛守るため命を懸ける男という表現も好き…。
そして、ユリアが病を患っていてもう長くないという原作設定も追加。
ラストのラオウ戦からラストまでは、細かいアクションの変更はありそうだけど概ね初演と同じ流れかな。

この作品は、カテコが元気で大好き。
キャストさんがヒューヒュー言いながら次のキャストさんを迎え入れるの楽しい。
大貫さんが跳び蹴りで登場したあと、ドレスをたくし上げてキックする可愛いユリアーヤさんもまた観れて嬉しい。
その後の皆もキックというかジャンプというか、ぴょんぴょんしてるの面白い。
あと伊礼さんが植原さんをお姫様抱っこしてたw
物語は明るいシーンは多くはないけど、愛や生の力強さのある作品だからこそカテコが明るく終われる、そこも含めてパワーをもらえる作品。

本当に体力勝負な作品だと思いますが、最後まで無事に完走できますように。