ミュージカル「AGATHA」
7/20夜公演行ってきました。
主演の花總さんはじめ、グランドミュージカルお馴染のメンバーでの韓国ミュージカルということで観劇。
ネタバレ感想
作家・レイモンドが少年時代に経験したアガサ・クリスティ失踪事件。
しかし彼は、事件当時の記憶を失っていた。
失った自らの過去を取り戻すため、アガサ失踪事件の真相を知るため、レイモンドは過去の事件を再び解き明かそうとする。
物語の舞台はレイモンドの少年時代、アガサ失踪事件当日へと遡る。
夫・記者・編集長・メイドとのティータイムの後、一人姿を消したアガサの真意とは。
失踪後にロイと名乗る青年と共にホテルで過ごすアガサ視点と、アガサが失踪した動機を探るレイモンド視点の2つが交互に描かれる。
過去と現在、作中作とアガサの深層心理・・・どこまでが現実か分からなくなるような不思議な作りの物語。
事件を追うレイモンド側が現実軸かな。
孤独を抱え一人ホテルに逃げたアガサの前に現れる青年・ロイ@黒羽さんは、登場したときからどこか浮世離れしているというか、他の登場人物と比べてリアリティの無いキャラだなという印象。
初対面の青年と意気投合し、気ままなホテル暮らしを楽しむアガサにもどこか非現実的な違和感・・・と思っていたら、青年も、青年とのやり取りも全てはアガサの深層心理が生み出した幻と分かり納得。
怪物が、アガサと周囲の人間をモデルに描かれた「迷宮でのティータイム」を残酷な結末にしろと囁くところが好き。
アガサ自身の周囲の人間に対する深層心理なんだろうけど、怪物が主であるアガサの心を守ろうとするような表現が良い。
だが、アガサは自らをモデルにした登場人物を毒殺し、怪物と共に死ぬ物語を選択するのは、小説は残酷性より犯人の動機を重視するアガサの作家としてのプライドゆえか、深層心理という欲望よりも理性を取ったという表現か。
レドモンドはが記憶を失ったのは事件自体のショックか、自分も記者たちに利用されたとはいえアガサを追い詰めた一人だと知ったからなのかな。
ラストは現代へと時間軸が戻り、記憶を取り戻したレドモンドとアガサの再会。
そして、年老いたアガサの側にはロイが姿を現し終幕。
心の中の怪物は死んでおらず、アガサはその後もロイと共に創作を続けていたというエンディングが美しくて良かった。