劇団四季「ゴースト&レディ」
7/15昼公演観劇。
友人に誘われて久しぶりに劇団四季観劇。
自分では選ばない作品でしたが、面白くて誘ってもらえてよかった。
ネタバレ感想
漫画原作のようですが原作未読で観劇。
舞台は19世紀のイギリス。
劇場に住み着いているゴーストのグレイは、自分を殺してほしいと願う少女と出会う。
看護婦として戦地へ赴くことを家族に反対されたことに絶望し、死を望んでいた少女の正体はナイチンゲール。
彼女の人生に面白味を感じたグレイは、本当に絶望したときに殺すという条件で彼女に憑りつき、ナイチンゲールに力を貸すことを決める。
冒頭でグレイが現代の観客(私たち)に語り掛けていることや、ナイチンゲールは晩年まで看護の道を歩み続けたことを考えると、物語の結末は何となく察することができますが、そこに至るまでの二人関係性や、「もしもナイチンゲールに幽霊が憑りついていたら」という歴史IFを見守るのが楽しかった。
劇団四季の作品としては大人向けな感じで、漫画原作ということもあって2.5次元作品みもあるので、2.5次元好きな人で四季に興味がある人にはオススメかなと。
ゴーストというファンタジー要素もありつつ、ナイチンゲールの話は史実ベースな印象。
女だからという理不尽に振り回されたり、戦地の劣悪な環境に心身を疲弊させたり、救えない命に無力さを感じたり、見ていて苦しいシーンが多い。
そんな中でも、ナイチンゲールをはじめとした看護婦の面々が折れずに、明るく使命を全うする姿と歌が心に刺さる。
最初は早く劇場に帰りたいと嘆いていたグレイも、心から他人に尽くすナイチンゲールに惹かれ、不器用に彼女を守る姿が愛しい。
長い時を生きて、ヒロインを小娘扱いできる人外キャラが良い。
小娘と思っていたのにいつの間にか惹かれていることに戸惑うところも良い!
二人は人間とゴーストだし、ナイチンゲールには看護婦としての生涯があるので結ばれることはないところが切ないけれど、天寿を全うした彼女の最期にふさわしい美しいエンディングだった。
一つ気になるところといえば。
グレイは生前、舞台女優と恋人になるもパトロンに横取りされたと語っていたけれど。
あれはパトロンが勝手に差金を向けただけで、彼女はグレイを想っていたのではと思ってしまう。