朧月夜の独り言

趣味に関する備忘録と少しの日常

映画ギヴン 柊mix

映画「ギヴン 柊mix」

久しぶりにギヴンアニメを見て、やっぱりギヴンの作風が好きだなぁとしみじみ。
後編も楽しみ。

given-anime.com


ネタバレ感想



時間軸としては前作映画の続き。
真冬と上ノ山のその後を描きつつ、タイトルにもあるように柊と玄純メインの物語。
想い合ってすれ違って、それを見守るのはもどかしくて。
でも、自らの本当の感情に気付いてアクセルがかかると眩しいくらいに物語が加速するのが心地良い。
ギヴンは「好き」を自覚したときに、相手が「男(同性)」というところに悩みの主軸が持っていかれないところが良い。
性別に関係なく一人の人間として好意を持つというところに好感が持てるし、純粋にキャラ同士の関係を楽しむことができる。


柊と玄純の物語、とても面白かった。
一見、柊が玄純を振り回しているようで、実のところ玄純の方が柊に執着していたり、淡々と無感情そうに見えて人生賭けて柊の心を得ようとするほど秘めた重たい感情を玄純が持っていたりするギャップが良い。
柊の玄純に対する感情も、向き合うきっかけはこれからも側にいてほしいという可愛らしいところだったのに、根底には求められる優越感・特別視されている喜びという、幼少期の成功体験的な部分と愛されたがりな本心が曝け出されていくのが。
二人の執着や独占欲のようなどろりと重たい恋愛観と、バンドしているときのキラキラした姿との対比が美しい。
愛されたがりな部分は真冬と雪の二人の世界への憧れもあり、幼馴染組のお互いに対する感情、「好き」の中にも愛情、憧れ、羨望、尊敬…様々な意味があって、それが繊細に描かれている。


真冬と上ノ山は、メジャーデビューしたい上ノ山と、雪の件での音楽に対するトラウマでずっと音楽を続けることに躊躇う真冬。
雪の曲を完成させたいと柊に持ちかけられ、一層音楽にのめり込むことで無自覚に真冬を置いていく上ノ山と。
置いて行かれたくない気持ちと傷つきたくない気持ちの板挟みで苦しむ真冬のすれ違い。
二人の物語は後編へと。

春と秋は仲良くやっているようで良かったです!!!