朧月夜の独り言

趣味に関する備忘録と少しの日常

2022冬アニメ感想

前回のアニメ感想から半年。
相変わらず周回遅れですが、自分用備忘のためにざっくり感想。
2022年3月最終回のアニメです。

鬼滅の刃 遊郭
平家物語
ルパン三世 PART6
・錆喰ビスコ
・東京24区
・TRIBE NINE
・王様ランキング
ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン
・86―エイティシックス―

放送途中感想メモ
・薔薇王の葬列



鬼滅の刃 遊郭
今作も作画が美しすぎる。
特に、後半のアクションシーンの迫力はTVシリーズであることを忘れそうなほど、動く動く。
劇場版と変わりないクオリティ。
物語はというと、鬼滅の話自体がやっぱり自分には合わないのか、うーん…。
鬼滅キャラのパワープレイ感というか、腕力と気力で戦うというのはちょっと単調で、映像の美しさがなければ飽きる。
キャラ達の「決死」の覚悟も、クライマックスだけならまだしも、終始そんな戦い方をするのも痛々しい。
「強い先輩」や「頭脳プレーをするキャラ」をするキャラがいないことに物足りなさを感じる。
それだけ鬼が強く、鬼殺隊の人材もギリギリの状態というところなんだろうけど。
鬼側(上弦の陸の兄妹)人間だった時の苦しい記憶と、人間だったときの願いを鬼として叶えている二人の方がむしろ共感できる。


平家物語
オリジナル主人公・びわの目を通して見る平家物語
風流で、時に政治的な腹の内を探り合うようなゆったりした日常と、琵琶の音と琵琶法師(成長したびわ)の語りでテンポよく紡がれる戦闘場面。
場面の緩急も良いし、絵柄もデフォルメ具合が可愛かった。
平家物語はざっくり流れは知りつつも、細かい人物まで知らないので名前は覚えるのに一苦労(○盛の人たちが特に…)しましたが、名前覚えきれなくても見た目と親子・兄弟関係を覚えられれば物語はなとなく理解。
争いを望まぬとも権力を持てば否応なしに付いてくる、登り切った「盛者」の衰退するものだと語られつつ、壇之浦に追い詰められて入水という、死に方の中でもかなり苦しい(と言われている)末路をたどるのは、上り詰める様を見守った分切ない。
平家の美青年・敦盛よりも義経の方が美形に描かれてる(主観)のには笑った。


ルパン三世 PART6
前半はホームズ編。
ワトソンの娘・リリーを中心に、ホームズと共闘しつつ隠し財宝の秘密を解き明かしていく物語。
ホームズ編(と勝手に呼びましたが)と言いつつ、ホームズの話に絡んだり絡まなかったり、単発の物語も多く、ホームズ&ルパンという並びが熱い分もったいない感。
チラリと登場したモリアーティ@石田さんが気になるところ。
不二子メインの「ダーウィンの鳥」がややファンタジー寄りの、他とは毛色った珍しい作風で面白かった。
後半はルパンの師匠(育ての母?)・トモエの物語。
単発だと思っていた物語が繋がっていき、実は今作の全ての女性が関係者だった、という流れは良かった。


▼錆喰ビスコ
「錆」に浸食された世界で、大切な人を救うために錆を浄化するキノコ「錆喰い」を求めるビスコとミロの冒険譚。
このクールで一番好みの作品で、とても楽しかった!
錆によって荒廃し身体も錆に犯される世界と、巨大化した生物たち、矢を射るとキノコを生やすことができるキノコ守、というがっつりファンタジーな世界観もカッコ良く。
キャラクターも、おっとりして見えて実は頑固で負けん気が強いミロと、直球に見えて実は冷静に戦況を見定められるビスコの、反対のギャップを持つ二人がの歯車が噛み合って力を生み出す爽快感!
特にビスコのカッコよさと可愛さのバランスが最高でした。
そして二人の友情以上の繋がりを感じる関係性もたまらない…。
ビスコを眠らせて黒川の罠に飛び込むミロとか…洞窟での別れとか、最終回の戦闘後とか…命を懸けるほど互いを想い合うところに驚いてしまうほど。
ここまで熱い、同性バディものは久しぶりで楽しかった。
黒川は権力で二人を追い詰めつつ、ビスコやミロとタイマンで対峙したときに小物感が出てしまうところも、津田さんのお芝居と相まってベタな悪役感が良い。
後半でビスコが死んだときはかなり絶望でしたが、最終回で無事に復活(むしろ不老不死の力を得て…)してくれて本当に安心した。
最終回も、しっかりエンディング&後日談まであるかなり余裕のあるストーリー構成だったことも好印象!

▼東京24区
大人になる一歩手前の最後の青春。
1話は未来を見る力を得た3人がそれぞれの能力を駆使する展開が痛快で、3人がヒーローとして活躍する物語になるかと思いきや。
2話以降、未来を知っても救えない命があることを知り、さらにそれぞれの理想の違いにRGBが瓦解していくというハードな展開は予想外。
町の治安と母が作ったシステムを守りたいコウキ、自分が育った地区や人々の自由を守りたいランと、自分の理想のために前に進む二人に対して過去に捕らわれて主人公・シュウタの煮え切らなさに若干モヤモヤ。
悩んでもがく主人公は好きだけれど、「アスミは生きている」と現実逃避するのはいただけない…火事でアスミを救えなかっただけでなく発火の原因も自分にあると思い詰めていることを考えると仕方ないのか…。
いっそアスミは生きてていることを前提に突き進んでくれたら好感持てたかも?
キャラとしては、一人称「おれ様ちゃん」なアートと自由を愛する軽やかなランが好きだけど、後半になって明かされる翠堂家の過去…システムではなく人を信じた結果カナエさんを亡くしてしまったことが辛すぎてコウキにも肩入れしてしまう。
ややモヤモヤとするところもありつつも、24区のことを想う人々の動向を楽しんでいたけれど、最終回は正直期待外れ…。
システムに捕らわれているアスミに会いに行こうとRGBが復活するのは熱いけど、結局アスミとカナエシステムをどうするのかはっきりした結論が出ず。
「アスミの代わりに俺たちが」というのが、システムを止めて民意で治めるということなのか?
アスミの意識が生きていることを知って、娘を利用することに耐えられなくなった豪理がシステムを止めたのか?
そして何より、「アスミ大好き」コール…謎すぎる…。
RGBの3人が、アスミとのお別れとして気持ちに区切りをつける、というのはわかるけど、「何かわかんないけど自分も」みたいな人たちは何だったんだ…。
アスミに対する気持ちが「学生の時に好きだった女の子」以上に、神聖視している雰囲気も高まってどんどん共感が薄れてしまった。


▼TRIBE NINE
「喧嘩をするなら野球で」「勝ったら相手に命令できる権利を得る」という設定の東京を舞台に、区ごとに結成されたチーム(トライブ)が野球バトルをしていく物語。
守備を倒さないと塁に出られないとか、審判ロボがNGを出さない限り何をしても良いとか、とにかく設定がぶっ飛んでて面白かった!
野球ものいうかバトルものというか、アクション要素満載でキャラも濃くて、好き嫌い分かれそうな作品だけ個人的にはツボでした。
区の特色が出たトライブも分かりやすくて面白い。
物語としてはあまり内容はないですが笑
しいて言えば、主人公・ハルが仲間とやる野球を通して、自信をつけて能力を開花させていくというところか。
ハルの素直で温厚な性格は主人公として見ていて好感が持てるので、そのあたりもストレスなく見れたポイントかな。
最終回で王次郎とカズキが和解したのは急展開だったけど、二人が幸せそうだったので良しです笑


▼王様ランキング
今期のノイタミナ枠。
聴覚に障害を持ち、周囲から蔑まれてきた王子・ボッジが、父(現王)・ボッスの崩御により立派な王を目指す物語。
原作漫画が話題になっていたので楽しみにしていましたが、うーん、私のツボにはハマらなかった。
ボッジは見下され裏切られながらも、親友・カゲとともに王を目指し努力しているものの、世間知らずさが見ていられない。
周囲の人間は…よく言えば人間らしさがあるけど、悪く言えば忠義が薄い…という感じで印象が悪い。
強さ、愛、富、同情…色々なものに惹かれて主君を変えることはあるだろうけど、現状、誰が誰に仕えているのかわからりづらい。
アニメで色々端折られてたりするのか、家臣たちのキャラの深堀りがあまりなく把握しきれなかった。
最初はダイダを立て、あまつボッジを殺そうとしたりしたと思えば。
ボッジが才能を開花させれば忠義を近い、それまで忠義を誓っていたボッス王がダイダの肉体を借りて蘇れば悪者のように扱い。
蘇ったボッス王は確かに敵なんだけど、それまで忠義を誓っていた相手への躊躇も理解もない。
最後「我ら四天王~」って言ってたけど、何の括りの四天王なの…?
そもそもボッスが強さを求めて、魔人と「子供の力奪う」という契約をしたのが原因では…というところも引っかかる。
ミランジョのボッスへの気持ちが大きくなりすぎて暴走してる部分もあるけれど、ミランジョにとって、壮絶な生い立ちの中で出会った支えがボッスであったことを考えると同情の気持ちが勝って、余計にボッスのせいだなという感が強くなる。


ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン
ジョジョシリーズ第6部のアニメ化。
承太郎の娘・徐倫が冤罪で投獄された刑務所でスタンド能力に目覚め、ホワイトスネイクと対決していく物語。
過去シリーズも見てきて、今作も変わらず安定の面白さ。
女子刑務所メインということで仲間も敵も女子率高めで、過去作とはまた違った陰険さがあるけれど、徐倫もさすがジョースターの血筋というか、真っ当な感覚と冷静さを持ち合わせているキャラだったので、頭脳プレーで敵を倒していく様は気持ち良く見れる。
バトルものは女子主人公より男子主人公の方が好きなタイプなので、過去作同様に楽しめるか視聴前は少し不安でしたが杞憂でした。
今期は12話で一旦最終回となりましたが、続きの放送も楽しみにしています。


▼86―エイティシックス―
2021年10月スタートから、途中制作スケジュール変更で一旦中断となり心配でした、2022年3月最終回放送となりましたのでここに感想。
1期では最終任務を経て帝国領を脱したシンたち。
2期では連邦国に保護されたところからスタートということで、まずは無事に5人が生きていることにホッとした。
連邦で保護された彼らに待っていたのは「平和な生活」。
戦争を生き抜いた若い彼らに、戦いを忘れて穏やかに暮らしてほしいという連邦の人たちの気持ちにもとても共感しつつ。
誇りをもって戦い抜いた彼らに向けられる、同情やエイティシックスというレッテルを見るとやはり彼らにとって戦場が一番自由で自分らしくあれる場所なのではとも思う。
シンは兄を倒すという願いを果たしたことと、多くの仲間を見送って自分だけが残されることに耐えられなくなってき、生き急ぐように戦場を駆ける姿が苦しかった。
終戦はモルフォに取り込まれたフレデリカの騎士・キリヤ戦。
皆が「ここは自分が食い止めるから先に行け」をし出したときには、本当にもうだめかと思った。
ライデンから「戦隊全員無事」が告げられてたときの感動と安堵はひとしお。
なんて優秀な戦隊員たち…シンを置いていかないでくれてありがとうという、もはや誰目線かわからないけれどそんな気持ちでいっぱいになる瞬間。
そして最終回は死んだと思っていたレーナとの再会し、同じ部隊の配属というサプライズ。
レーナと対面して笑いをこらえきれない面々とシンの笑顔…ファイドの目を通しての画も、音楽も、全てが最高の演出で感涙。
追いかけていた相手・置いて行かれたと思っていた相手と並び立つという、5人横並びの構図も最高で、2クール通してとてもとても楽しい作品でした。


放送途中感想
▼薔薇王の葬列
1クール終了。
ヨーク家とランカスター家が王座を奪い合う薔薇戦争の物語。
王座を奪い奪われの泥沼戦争。
国を治めたいというよりは、王座を得ることで自分の欲望や見栄を満たしている感じで、この戦争に意味はあるのか…と思ってしまうけれど、史実ベースなのでそのあたりは考えても仕方のないことか。
主人公は両性を持ち、母親には「悪魔の子」と呼ばれ嫌われて育てられた子・リチャード。
唯一愛情を注いでくれた父を戦争で失い、父への想いや自分の性に対する葛藤や怒りの矛先を戦争に向けて戦果を上げていく。
1クール目ではだいぶ感情に身を任せた感じですが、2クール目でどうなっていくのか。
個人的には軍師や忠臣ポジションキャラが好きなので、バッキンガム公やケイツビーの動向が気になるところ。
バッキンガム公は見た目も好みなので、物語が進むにつれ出番が増えてきて嬉しい。
(チラリと見た2クール目で成長してCV杉田さんになっているのも嬉しい驚き)
軍師ポジという意味では、ウォリック伯が可哀想でつらかった。
ヨーク家のために尽力したのにエドワードに裏切られ、ランカスターと手を結ぶもジョージに寝返られ、乱戦の中で最期を迎えるのが切ない。