朧月夜の独り言

趣味に関する備忘録と少しの日常

舞台遙か3十六夜記

舞台「遙かなる時空の中で3 十六夜記」行ってきました。

去年は再縁が中止になってしまい残念でしたが、十六夜記上演おめでとうございます。
遙かの世界観本当に好きなので、楽しかったです。
来週あと1回観に行きますが、初見感想。

千秋楽配信あるので、ぜひたくさんの人に観てほしい…。

物語は前作のクライマックス、平知盛・還内府との決戦から始まり、知盛の死によって戦いが終結
しかし、平家との戦が終わったら九郎を殺せ、と頼朝より命を受けていた景時は九郎に銃を向ける。
望美らは九郎を連れて景時から逃げ、道中、銀と名乗る奥州平泉からの使者により平泉にたどり着く。
平泉にて源氏軍を迎え撃つが、北条政子の正体・茶吉尼天の力の前に八葉は命を落とし、平泉の町は炎に焼かれ、望美は運命を変えるため再び過去へと遡る。

今回も1幕が1週目、2幕が遡った後の2週目という構成。

OPは舞台遙かシリーズの演出を踏襲。
殺陣、映像でのキャラ紹介、八葉勢ぞろいの演出は美しい。

物語としては前作のクライマックスの戦闘がかっこよくてとても好きなので、また観れて最初からテンションが上がる。
そして、物語が前作の場面からそのまま繋がる話なので、実はその後大団円で終わってはいなかったという衝撃。
なんとなく景時は何かを抱えていそうな雰囲気があるキャラだと思っていたけど、こんなに真正面から裏切ってくるのか、辛い。
前作は、運命をやり直すところでいかに源氏の仲間を増やすか、情だけでなく利害や戦況も含めて八葉の協力を得ていくという感じだったけれど、今作は銀の心に訴える情の部分が多い印象。
記憶を失い、泰衡の命令であれば惨いことも淡々と行えてしまう銀に、必死に心を取り戻してほしい、あなたが大切に想っているものを考えてほしいと正面から伝え続ける望美が、苦しくて純粋で尊い

記憶を取り戻し、神子の力で魂に刻まれた呪詛も解けた銀こと平重衡、そして藤原泰衡・八葉と共に茶吉尼天を倒し、平泉での戦いが終結する。
白龍の逆鱗を返したくないという泰衡に対し、返さなくて良いと言って手首掴んで一緒に力を放つ神子が最高、かっこよかった。
初演の時に九郎の腕を掴んだ男前神子を思い出した(笑)
だけど、物語序盤で玉も無くなり八葉でなくなった景時が、最後まで戻ることがなかったのが悲しい…。
泰衡もこの戦いの後、父親を殺して平泉の政権を奪ったことに反感を買われ殺されてしまう…他のみんなの大団円感と泰衡の孤独な死の対比が。。

ラストは望美・将臣・譲の3人は現代に帰ることに。
現代に帰ると聞いた瞬間、主観的な切なさがこみ上げてきて、キャラ特に望美に感情移入してたんだなと実感。
重衡が神子大好きで、現代にもお供するのにはびっくり。
重衡が望美への好意を示してるとき、譲がスッと後ろ向いたり、将臣が余裕そうだったり、それぞれのリアクションが面白い。
全員のルートやってほしい、みんな神子と幸せになってほしい…。

▼神子/白龍
吉川さん、野本さん続投ありがとうございます。
可愛さと、優しさと、強さ(物理)を持ってる神子たち最高。
吉川さんの腰を落として剣を構えてるところのかっこよさがたまらない。
剣の構えや速さにさらに磨きがかかっていたような気がする。
白龍が敵を攻撃するとき袖で攻撃?してるの可愛い。

▼青龍
兄・頼朝に裏切られ、仲間であった景時に撃たれ、傷心の九郎。
前作では敵だったけれど今作では神子たちと一緒に行動できて嬉しそうな将臣。
決断するしかないと将臣が九郎に決心を促したり、二手に分かれるときに九郎が将臣に指揮を託したり。
源氏と平家の遺恨が完全に消えたわけではないけれど、互いを認め合っているようでこの二人が絡むと熱い。
それにしても平泉の町に出てみんなとわいわいしてる将臣くんを見れて幸せ。
将臣の「白龍のブロマイド買った!」のアドリブとか、こっちの世界では3年経ってるけど元は高校生なんだなって急に思い出したw
でも、落ち込んでる朔の背中をバシバシ押して、町を見て回ろうって元気づけてるのとかいい男してるのも最高。
鐘ヶ江さんの九郎の殺陣良かった、低い姿勢と素早い太刀筋が素晴らしい。

▼白虎
譲は出番少な目な分、状況説明のストーリーテラー的なポジションも。
相変わらずセリフの「先輩!」率も高めで可愛い。
みんなが集合するシーンとか、兄・将臣と一緒にいることが多くてつい目で追ってしまう。
景時は序盤で九郎を裏切り北条政子と共に行動、辛い役どころ。
君沢さんの声が和彦さんの声の雰囲気に似てる。
白虎組は戦闘で近距離になったとき、譲が弓で敵を殴ったり、景時の蹴りが入ったりするのが好き。

▼朱雀
今回もちょっとだけ叔父・甥の絡みがあって可愛い。
大原さんの弁慶は声色も優しげな感じで穏やかな印象。
前作は食えない軍師感もあったけど、今回はみんなをそっと支えてるような感じ。
杉江さんはヒノエ続投ありがとうございます!
前作の杉江さんのヒノエがとても好きだったので嬉しい。
明るく軽いようで頭の中は冷静で理性的、正論で話ながらも相手の気持ちを汲む情もあって、男前すぎて何度でも惚れ直す。
今回は朔とのシーン多めで、兄の裏切りに戸惑う朔に「相手の無事を願っても良い」とアドバイスしたり、「兄の元へ行け、敵は自分が払う」と後押ししたり、どこまでかっこいいんだよ…。
杉江さんの、神子たちと話すときのヒノエと、頭領として兵を率いるヒノエの演じ分けも絶品。

▼玄武
リズ先生は出番は少なめだけど、殺陣の印象が結構残ってる。
大刀を綺麗に振るっててかっこよかった。
敦盛の古賀さんは、他の舞台で拝見したときは小学生だったので大きくなったなぁと。子役のイメージ強かったのでどんな敦盛になるのか期待半分、不安半分という感じだったのですが、殺陣も違和感ないし、芝居も大人っぽくなってて(当たり前)良かった。

平知盛/銀
誠治郎さんの知盛がまた観れたの嬉しい、二刀流で戦うのやっぱりかっこいい。
あと神泉苑で望美と出会って、剣と扇で手合わせするのもドラマチック。
知盛は序盤で死んでしまうので、メインは銀。
知盛の戦闘狂なキャラから、記憶喪失で不安げな銀へ二度おいしい。
銀の棒術?のような戦闘がとても軽やかで素敵だった。

北条政子
かっこよかった!!
景時に命令を下したり、望美たちの前に立ちはだかる強大な敵だったり。
嫌な役どころではあるんだけれど、美しさと、強さと、茶吉尼天という人外であるというところで湿っぽい嫌な感じがなく、良いラスボス感。
幸田さんの突き抜けたお芝居も迫力があって本当にかっこよかった。
あと裾がふわっと広がった衣装が可愛い。

藤原泰衡
ご本人も言ってましたが、今まで見たことない和合さんの役どころ。
でもとてもハマってた。
こういうかっちりした役も、声が通ってて存在感あって良いですね!
自分が考える「平泉を守る」ということを実現するために色々なものを犠牲にしながら、孤独に戦う泰衡…だからこそ、最後の神子との共闘良かったな。