朧月夜の独り言

趣味に関する備忘録と少しの日常

マリー・アントワネット

ミュージカル「マリー・アントワネット」観てきました。

東宝系の作品観るのいつぶりだろう、帝劇コンサート以来かな。
東宝作品の、作品自体もキャストさんや客席の雰囲気も“いつもの”感が心地良かったです。

前回上演されたときは初見だったので、ストーリーの重さというか、マリーの栄華と没落がショッキングでつらいしか感想が出てこなかったのですが、今回はストーリー知っている分落ち着いて観れました。
(でもどちらかというとこれが史実に近いんだろうな)

物語は華やかなマリーの夜会から。
しかし、マリーの失脚を望むオルレアン公がマルグリットら貧しい民衆と手を組み、マリーを罠に嵌め、貶め、革命を起こす。
革命により捉えられたマリーは夫と親友を殺され、子供を取り上げられる。
マルグリットは次第に民衆が恐怖政治へと、自分の手に負えないほど激化していくことに不安と疑問を持つようになる。
そんな中、二人は実は同じ父親の血を引く、腹違いの姉妹ということがわかる。
同じ血を持ちながら異なる人生を歩み、それぞれが悩みや苦しんでいるけれど居る世界が違えば互いの気持ちはわからない。
分かり合うためには、世界の平和のためには、というのがこの作品のメッセージか。

花總さんのマリー、相変わらず美しくて振る舞いが可愛い!
登場で拍手が起こるのは珍しくて驚いたけど、なかなか演劇ができない中「待ってました」という雰囲気が最高。
前楽(ダブルキャストさんは千秋楽)ということもあって客席も熱気がより一層。
自分を貶めた相手をすぐに投獄しようとしたり、財政を顧みずドレスを新調したり、よくあるわがまま王妃のイメージだけど、本人としては「王妃として尊厳を守り・着飾る」ことが、異国から嫁いだ自分が国民に受け入れられることだと信じている…裏目に出てるんだけどね。
ちょっと子供のようなヒスっぽいところもあるけれど、“王妃“として必死な感じが切ない。

田代さんのフェルセン…優しい…!
マリーに危機が迫っていると、自分はそばに居られないと、歌声がどんな時も落ち着いて諭す感じなのと、♪私たちは泣かない のとき抱きしめて背中をポンポンと叩くのがマリーへの愛に満ち満ちてる。
だからこそマリーも離れがたくなってしまうんだよと思う(笑)
あとどの舞台でも思うけど、フェルセンの軍服衣装良いですよね。

マルグリットはソニンさん回。
勇敢で正義感が強いようで、フェルセンやマリーと話すときはあまり目を合わせない感じとか、素はわりと人見知りみたいな感じが好き。
虐待されて貧しく育ってあまり人との関わり方を知らないのか、それでもみんなのために生きるために先頭で頑張るところが愛しく、歌声の力強さが最高。

上原さんのオルレアン公、楽しみにしてました。
上原さんの歌声めっちゃ好きなので、♪私こそがふさわしい 最高!
革命が起これば自分も王座につくことはできないにも関わらずマリーを引きずり下ろすためクーデーターを起こした具体的な理由は明かされず謎多き人物…。
[追記]上原さんのYouTubeでオルレアン公の考察動画見てきました。なるほど。

物語中盤からマリーがオルレアン公の策に嵌められるのは辛いけれど、クライマックスの身内と引き離されショックで白髪になり、質素な服で断頭台に向かう姿は痛々しくて、自業自得な部分もありつつ可哀想だと思ってしまう。
マリーとマルグリットの不遇さで言えば、親を亡くして飢えに苦しみながら生活するマルグリットの方が生命が脅かされてるのでダイレクトに可哀想と感情移入しちゃうけど、物語はマリーの転落がメイン描かれてるから、バランスよく、どちらにも肩入れできるのが良い…どちらも辛い。。


前楽なのでカテコで花總さんとソニンさんからご挨拶がありましたが。
お二人とも、この情勢の中上演することの大変さ、そしてお客様への感謝を述べていらっしゃってこちらこそ感謝。
このあとの大阪公演も無事に終えられますように。

フェルセンに手を引かれながら捌けるマリー様可愛かったし、袖に入る前に手を広げたフェルセンとぎゅっとハグしてたのも眼福でした。


シアターオーブ初めて行きましたが、とても音響きますね。
足音とか、転換の音もいつもより響いてたのが。。
3階席でもまぁまぁ見やすくて良かったけど、帝劇が恋しいな(笑)