朧月夜の独り言

趣味に関する備忘録と少しの日常

ミュージカル黒執事 寄宿学校の秘密①

「ミュージカル「黒執事」~寄宿学校の秘密~」観てきました。
黒執事は原作漫画も好きな作品だし、2.5舞台の中でもお気に入りの作品なので、新作上演心待ちにしていました。
1公演しかチケット取っていなかったのを悔やむくらい、とても楽しかった!


今回の物語は、寄宿学校で行方不明になった生徒を探せ、との女王の命によりシエルとセバスチャンはそれぞれ生徒と教師に扮し名門・ウェストン校に潜入することに。

原作でも大好きな寄宿学校編。
細かく場所が転換するから舞台化は大変じゃないかなと思っていましたが、可動式の2階建てセットや映像を使用して暗転も少なく綺麗にまとまっていて。
若干カットされてるエピソードなどもあったけれど概ね原作通りで、名門校という豪華な世界観もそのままでとても良かったです。

今作もキャラクターの完成度は最高で、寄宿学校編の魅力の寮長&寮弟コンビはビジュアルから絡み方までイメージ通り。
既出キャラもキャスト一新で新鮮。
前キャストも好きだったので変更はちょっと寂しい気持ちもあるけど、新キャストさんもとても良かった。

立石さんのセバスチャンは人として魅力的に振舞って人間を誘惑しそうな美しい悪魔。
古川さんのセバスより人間に興味がありそうな感じ。どちらも良い。
立ち居振る舞いはセバスそのもので、跪く姿とか今までのシリーズともシルエットが重なる。
小西さんのシエルは、成人キャストのシエルはどんな感じだろうなーと思っていたけど小柄で(足が細い…!)可愛くて不遜なシエル坊ちゃんに仕上がっていて良かった。

登場人物の中では紫寮が好きすぎて最高で、ありがとうございました。
キャスト発表されたときに絶対合うと思いましたが、キャラビジュアルが上がってきてさらに最高だなと思い、実際に動いているところを見て感動。
原作でも紫寮の二人好きだったけど、本当にそのまま動いてくれてありがとう。
福澤さんのチェスロックはダンスが言わずもがなうまいし、常に指先まで神経を巡らせているようで仕草一つ一つが細やか。
後藤さんのバイオレットは常に猫背でフードかぶって、ソファーに体育座りして、行動のバイオレットらしさが忠実かつ可愛くて目が離せない。
二人ともローブ羽織って、翻しながら歩く姿が舞台映えしすぎて良かった。
セバス&アガレスの教師服も布が多くて好き。
布量多いと動くのは大変だろうけど、舞台で服の裾とか袖がふわっと広がるを見るの大好き人間だから眼福でした。
クリケット大会で、青寮vs緑寮してるときに紫寮の二人が一緒にいて話したり絵を見たりレドモンドに絡んだりしてるの可愛かった。
座席が反対サイドで遠くからしか見えなかったのが悔やまれる。


一幕は入学から、モーリスの話を経てシエルがクレイトンの寮弟になるところまで。
二幕はクリケット大会と真夜中のお茶会。

一幕冒頭は恒例のセバスチャン召喚のシーンからだったけど、今作はさらに過去作のジャックザリッパー編・サーカス編・豪華客船編のダイジェストもあって懐かしい気持ちに。
曲も、過去作の曲をアレンジしているような部分があって面白かった。
けど、回想多くてなかなか物語が始まらない、いつ入学できるのかと思った(笑)

二幕のクリケットは、クリケットバット振りながら歌って踊って、てにみゅかな?って思ったけど、枢先生が当時「クリケットのシーンはスポーツ漫画のようにしたい」というようなことを書かれていたような気がしたので、スポーツ漫画のミュージカル化という意味ではむしろてにみゅっぽくなるのはとても正しい演出なのでは。
原作がスポーツ漫画の表現を取り入れたのと同じように、ミュージカルの方もスポーツモノのミュージカルの演出を取り入れてるイメージ。
寄宿学校編は謎めいた雰囲気はありつつも、がっつりダークな真相はクライマックスまで隠されてるので、後半まで明るい曲調で学園もの感があって楽しかった。
青寮が過去にも1度優勝したことがあるというのは歌の中?で少し触れてたけど、ヴィンセントさんの存在はカットでしたね、本筋には影響ないし組み込むの難しいから仕方ない。

クライマックスの真夜中のお茶会。
豪華客船編の時も思ったけど、生で見る動く死体は不気味でドキドキして楽しい。
そしてP4の回想がとても良かった…!
学園の秩序を守りたいという純粋さ故の殺人であること、性格もバラバラな4人が寮長という立場と学園を想う心で繋がっているのが伝わってきて。
P4の学園を想う清い心と、学園に悪が蔓延っていたという失望と、殺人の罪悪感と焦りが生のお芝居だとより鮮明で切なかった。

最後少し残念だったのは、事件解決後に屋敷に帰ってきたシエルとセバスが会話で締めてそのままカテコになっちゃったのが。
復讐を遂げるまで契約を違えないことを話し、「イエス、マイロード」のセリフがあり、二人のデュエット曲くるか…と思ったらそのままカテコになっちゃってちょっと物足りない。
ミュージカル作品だから、二人の曲か全員で歌うかして締めてほしかった。
(カテコも一応全員で最後歌ってたけど、やっぱり物語の締めとして1曲ほしい気持ち。)

黒執事の世界に浸れて楽しかったな。
再演・続編を期待して、まずはこの公演を無事に終えられますように。
千秋楽の配信楽しみ。