朧月夜の独り言

趣味に関する備忘録と少しの日常

マイフェアレディ2021

ミュージカル「マイ・フェア・レディ」観てきました。

初マイフェア。
近代以前の歴史モノミュージカルが好きなので、20世紀以降が舞台の作品はわりと避けがちなのですが、有名作ということと、12年ぶりの帝劇上演ということで。


ダブルキャストは、まぁ様イライザが見たくてAチーム回。
イライザ:朝夏まなとさん
ヒギンズ:別所哲也さん
フレディ:寺西拓人さん

帝劇上演の東宝ミュでコメディは珍しいので、明るい作風で楽しかった。
物語は、下町で暮らす花売りの女性・イライザに言語学者の教授・ヒギンズが言葉遣いを教え、立派なレディに仕立て上げるということで、コメディだけど身分格差・男尊女卑なところが大きいので時代感覚割り切れる人向け。

1幕はイライザとヒギンズの出会い、レッスンを繰り返し失敗もしながらレディになるまでの物語。
イライザは明るくて真っすぐ、でもどうしようもない「育ち」で染みついた粗野なところがあって愛しい。
朝夏さんのイライザはダンスがキレキレで溌剌感増し増し。
日本語版だとイライザはべらんめえ口調なのが面白い。
単純に言葉遣いが悪いだけじゃなくて、「ひ」が発音できない“訛り”の部分の表現とか、ブロードウェイ版を日本語に翻訳するの難しかっただろうなとか思ったり。
ヒギンズ教授は、別所さんがコミカルに演じられるので可愛いおじさまって印象だけど、言ってることはほとんど「下町言葉は罪!女の頭はからっぽ!」だからひどい笑
フレディはダブルキャストなのでメイン級の役どころなのかなと思ったら意外と出番少な目。
ヒロイン大好きお花畑男が好きなので見ていて楽しいけど、最初に花売りとして町でぶつかったときにはそのまま立ち去ったのに、言葉遣いは別として美しい身なりになったイライザと出会ったら恋に落ちたというのは、やっぱりそういうことなのかー。
でも、町にいる花売りと、競馬場でちゃんと挨拶をして出会ったお嬢さんはまた別物かなー。

2幕はレディになるという目標を達成した後の二人の物語。
イライザがレディになれたことを自分の功績としか思っていな教授。
それはイライザが悲しんで出て行って当然で、イライザの行動にスカッとした。
でも、イライザの「言葉を正してちゃんとした花屋で働きたい」という当初の目的はどこへ…?
下町で昔の仲間に気づかれることもなく一人佇むイライザが切なくてとても不安になったけど、教授の母の元に行くことができて、教授の母が味方になってくれて良かった。
前田さん演じる母が美しくて頼もしい。
競馬場でイライザのことを知ったときは難色を示していたものの、努力してレディとしての振る舞いを身に着けた彼女を認めてくれる懐の深い母…素敵。
教授は最後の最後で、彼女への気持ちに気づき、笑っちゃうほど不器用に彼女に告げる。
イライザは教授の元に戻ってしまうのねー…二人が幸せならそれで良し。
教授の家を出たイライザの荷物持ちをしてたフレディはどうなったのか気になる…。

コンサートとか音楽番組とかで何曲かマイフェアの曲を聴いたことがあったけど、改めて聴いてみてどれも耳馴染みが良くて楽しい。
20世紀感?
TDRで流れているような、軽やかで現代的だけどPOPやロックではない曲調で好み。

色々ツッコミどころもあるし、この時代の女性の幸せとは、とか思うところも色々あるけど、コメディミュージカルとしてはとても楽しかった!