朧月夜の独り言

趣味に関する備忘録と少しの日常

フィスト・オブ・ノーススター①

ミュージカル「フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~」行ってきました!!


発表されたときは驚いた。
散々2.5次元観てきたから何が舞台化しても驚かないと思ってたけど、この演目&キャスト陣にはさすがに驚き。
原作未読なので、ほぼキャストさんにホイホイされた形ですが、ホイホイされて良かった!

ダブルキャスト/役交代
ユリア:平原綾香さん
トキ:加藤和樹さん
シン:上田堪大さん
レイ:上原理生さん
ジュウザ:伊礼彼方さん
ラオウ福井晶一さん
リン:近藤華さん

物語ざっくり、核によって荒廃し、弱肉強食・暴力が全てとなった世界。
ケンシロウは人々を救いながら、世界を支配しようとしている兄・ラオウを倒すことを目指す。

とにかく!楽しかった!
グランドミュージカルとしてのキャスト陣の迫力、セットや衣装や演出の豪華さあり!
2.5としての、現実離れした世界観やキャラクターにもどっぷり浸れる!
両方のいいとこ取りで、両方好きな身としてはとても楽しかった。
原作未読なので、原作と比較したりすることもなく観れたことも大きいかな。
でも、原作知らなくてもちゃんとついていける内容になっていて良作な2.5でした。

敵味方バタバタと倒されていくのを見ると、かなりダイジェストになっているんだろうなと思いつつ、作品やキャラの魅力はとても伝わってきて。
このキャラのことをもっと知りたい…!と原作が読みたくなる。
(というか実際に電子版買い始めた)

バトルものだと思っていたので、北斗の拳のキャッチコピー?とかそういうものに「愛」が入っているのずっと気になっていたけど観ながらすごく納得。
家族愛、兄弟愛、友情、恋情…人との繋がりがとても描かれている作品。
舞台化するにあたって、特に主題としてそういうシーンをメインにピックアップしている感もあって、バトルだけじゃなく人間ドラマもしっかりしていて物語に引き込まれるし、感情移入もしやすい。

ケンシロウ
大貫さんのダンス・アクションがとても良い。
滞空時間の長い跳躍が美しい!
力を持ちながらも、作中でも言われているように情にもろくて優しいところがいい男。
漫画のイラストの雰囲気から、寡黙であまり人と関わらないキャラなのかと思っていたけど、他人のために戦ったり悲しんだりできるし、ユリアのこと大好きだし、コミュ力あるし、想像以上に人間臭くてイメージアップ。
後半の、ラオウとの戦いで傷ついたシンを庇って、誠実に戦いを挑むところ最高に好き、かっこ良すぎ。

トキ
初っ端から、ケンシロウとユリアを助けるために、二人を核シェルターに押し込んで自分は犠牲になるというクライマックスの持ち主。
抗いようのない脅威に対して、自分を犠牲にするというのちょっと苦手なくらい悲しくて観ていて辛い。
病に侵されてもケンシロウに自分の拳を教え、ラオウとの約束を守るため立ち向かう真面目な男だ…。

ラオウ
想像以上にいい人?
暴力で世界を支配するところは王道の悪役だけど、荒れた世界を統一したいところとか、実の弟・トキとの決闘でトドメを刺さないところとか、最後はケンシロウに敗北を認めるところとか。
継承者にも選ばれず、孤独に、愛も悲しみも知らずただただ戦っているところを見ると可哀想とさえ思えてくる。
そんな感じで後半に向けて好感度?が上がっていったところで、自ら命を絶つ潔さが際立つ。

シン
不器用な愛もとても良かった。
ケンシロウからユリアを奪って、ユリアのために宝石やドレスを捧げるもユリアの心は自分に向いてくれないことに悩む姿が愛しすぎる。
上田さんは綺麗可愛い系のお顔なのでユリアと並ぶと少し幼く見えて、女心がわからずとにかく好きなものを贈りたいたいという風に見えて愛しさ増す。
最後は正々堂々ケンシロウと戦うために、ラオウに立ち向かう姿がまたたまらない。

レイ
死に際が切ない。
ラオウに3日間の苦しみを与えられ、大の男が声を上げるほどの苦しみに耐えながら、それでも最後まで仲間のために行動して。
平気な顔して皆が去ったのを確認したあと、堪えていた苦しみを露わにするのが本当に痛々しいのと同時に、この漫画らしい男らしさ全開で最高でした。

ジュウザ
軽薄男良いですねー。
他のキャラが硬派なので、一層こういう賑やかなキャラが華やかに引き立つし、そういうキャラが一転、真面目モード入ったりするとまた魅力が上がる。
登場&鎖につながれてる1人のシーンはセリフ日替わりありそう。
この中では比較的出番短め?でもったいない。
レイ・ジュウザは二役交代制なので、両方観てみたくなる…。

いや、もう、観劇前は80年代ハードボイルド作品の男キャラを好きになれるのかと思ってたけど、自分のチョロさに笑えてくるくらい、今観てもかっこいいと思える。
2.5好きな人はとりあえず観てほしい。

キャラだけじゃなくて物語も良くて。
特に、ミュージカル作品で民衆が力を合わせて生活しているシーンとか好きなので、村の皆が種もみに、バットやリンに未来を託していくシーンが良かった。
荒廃した世界でも前を向いて、未来を見据えている姿が美しくて泣けてくる。
その分、ラオウによって皆が倒れていくのが切ない。
バットとトヨの別れが特に。。

バット役の渡邉さん、歌が上手い。
初めて拝見しましたが、1幕のソロの伸びやかな声と、堂々としたお芝居に感動。
ほとんど舞台経験ないみたいですが、そんなことを感じさせない雰囲気。

ユリアは平原さんがコメントで月のようにと仰ってましたが。
強く、気高い雰囲気があって美しい。
衣装チェンジが多いのも眼福。
ラオウがユリアを愛していないと言いつつ、自分のカラーの赤いドレスを着せてる?ところが好き、赤いドレスは印象がまたガラッと変わる。