朧月夜の独り言

趣味に関する備忘録と少しの日常

綺伝②

「舞台『刀剣乱舞』綺伝いくさ世の徒花」2回目観劇。

天伝无伝とロングランだったので、通常公演があっという間に感じる。
もっと観に行きたい。

=4/15=
書き溜めてた感想公開。ネタバレ注意。


今回の座席はサイドシート。
上手サイドの席だったので、花道は遠いけれど全体が観えてお得感。
舞台の端は少し見切れてしまうけれど、前方寄りの席番だったので正直初日に観たS席より舞台も近く良く見えて、集中して観劇できた。

全体的な感想は前回書いたので、刀剣男士ことを少し。
前回も書いたけど、綺伝本丸の第三部隊は科白劇本丸よりも少し精神的な距離感近めな印象。
物理的な距離感も近いからか、キャストさんたちの仲が深まっているという先入観からか。

綺伝の物語における歌仙の部隊長としての頼もしさがとても好き。
ラストに極め姿でせり上がってくるのが、特に、音楽などの演出も相まって、かっこいい。
過去作では「お小夜…」だった歌仙さんが頑張ってる…という親心的なところも笑
元主の想いと記憶を持ちながら、その人が愛して斬れなかった相手を斬らねばならないという辛い役目でも、刀剣男士として、部隊長として、「鬼」の刀として自ら務めを果たすところが歌仙らしいというか、辛くとも理性と誇りで任務を遂行してくれそうという歌仙のイメージのまま。
綺伝は、他の刀ステの物語が「刀としての気持ち」(誰に、どう扱われたか)を抱えながら行動するのに対して、「元主の気持ち」(忠興の記憶や心)を持つ歌仙がどう行動するかという物語になっていて、元主を斬るのも、主が愛した人を斬るのもどちらも辛いけれど、また違った心持ちだろうな。
そういう意味だと、信長を守りたかった蘭丸の心を持つ不動とか、秀頼を守りたかった秀吉の心を持つ一期一振とかが近いのかな。
他の刀も、自分の記憶だけでなく、歴代主たちの記憶や心も内に持っているのかと思うと、本当に出陣先で出会う武将やその周りの人々に常に心を乱されるのではと心配になる。

初日の歌仙は、ラストのガラシャに向かうまでの戦闘でもすでに苦し気で見ているこっちもハラハラだったけれど、今日はそれが少し落ち着いていたように思えた。
掛け声なども、初日ほど乱れているように感じなかった。
ラストでガラシャが忠興と「もしかしたら私の刀となっていたかも…」と語るとき、表情は見えないけれど大きくうつむく歌仙の方が辛そうに見えた。
ガラシャを斬ることは使命であり本能だけれど、改変された世界の二人とはいえ自分を自慢の刀と大切にしてくれた元主を見送るのは、ガラシャを斬ることよりも辛いように思える…自分の手でガラシャを“斬る”、人の身として感触を実感するのはそれはそれで辛いだろうけど。
ずっと膝をついて二人を見つめていて、消える瞬間に二人の元に駆け寄り一人残される歌仙がとても心許なく見える。

科白劇のときも書いたかもしれないけど、第三部隊の編制が好み。
知性とパワー(物理)に溢れていて戦闘も交渉もやってのけて、性格が穏やかで、町の人とも刀剣男士同士でも揉め事を起こさず、肝も据わってる。
放棄された世界で歴史上の人物たちが刀剣男士の存在を知っていたがゆえに正体はすぐにバレてしまうけれど、そうでなく普通の出陣だったら正体もバレずにとてもスマートに任務をこなせるのではと思わせてくれる安心感。
特命調査以外でも出陣している姿を見てみたい。

青江の「心配しているよ」「本当は心配なんかしていない、そんなもの必要ないだろう」のところは歌仙・青江の関係性&キャラ解釈一致。
歌仙は本気で親身になって心配されると逆にしっかりしなければと気負ってしまいそうだと思っているので、青江くらい(内心はちゃんと心配しつつ)ちょっと茶化しながら「君なら大丈夫」と言ってくれるくらいな方が気持ちを持ち直せそう。
青江@佐野さんは科白劇で拝見したときよりも大人っぽくなられているように感じて、一層落ち着いたミステリアスな雰囲気が増していた印象。

長義は…梅津さんの長義ホント良い。
ダンスとかで足を少し開いて立ったときのスタイルと衣装のバランスが美しすぎ。
細身なんだけどフィジカルを感じる梅津長義の体躯…歌仙と同じく、長義も最終的には力でどうにかしようとするタイプだと思おうので、理想の長義の姿。
偽まんばを斬るとき、「お前が帰るまで本丸は俺が守る」と言っていたのが感慨深い。
まんばをライバル視していたあの長義が、まんばちゃんの帰る場所を守っていると思うと熱い…。
まんばが守ってきた本丸を、自分が守れなかったら自分の方が弱いということになってしまうので、意地を張っているともいえるけど頑張ってる姿が愛しい。
冒頭野営の「えいえいおー」で一人だけ「おー」しない長義と、暗転の中させようとする青江と歌仙がツボ。
亀甲@松井さんは儚げで美しい…。
ランブロの軽装写真とか、自然光の元で白い着物と色素の薄い髪が眩しい。
常識人で、軽やかで、でも時々変態が垣間見えたり。
弊本丸の亀甲はあまりたくさんボイス聴いたり、回想回収したりができていないので舞台で色々な魅力が見れて嬉しい。
殺陣も美しくて、軽やかなんだけど、時々腰を落とした構えをした瞬間の姿勢が、松井さんの殺陣の上手さを感じさせる。
科白劇のと気に、白い衣装を汚さないよう裏でも座らずとても気を使われていたと仰っていて、今回もそうしているのかなと思うと微笑ましい。
真剣必殺でチラリと見える紐はとても気になる。

篭手切@大見さんは、今回「篭手」を斬ってる殺陣が印象的。
科白劇のときに「その篭手もらった」をどう表現するかということをリリイベ(配信)で仰ってた気がするので、やっと実際に敵を目の前にして殺陣ができていることに、綺伝上演できて良かったなという気持ちがまたひとしお。
ステップ踏みながらの殺陣は可愛いけど実際難しそうで、普通の殺陣とはまた違った技術を感じる。
獅子王@伊崎さんは第三部隊の元気筆頭で見ていて気持ちが良い。
小烏丸の真似が相変わらず上手い笑
飯屋で獅子王が立ち上がって語り始めると、横で篭手切がお店の人たちに「スミマセンッ…」と謝っていて、獅子王に振り回される篭手切(でもいざというときは絶対獅子王の方がしっかりしてそう)なコンビが良い。
獅子王の殺陣は腰を落として低めに構えるところが太刀らしくて、でもどっしりとした重さはなく獅子王の明るい性格のような俊敏で軽やかさがあるところが好き。

古今伝授の太刀@塚本さん、相変わらずあの衣装が似合うところがすごい。
歌の入電について今まであまり深く考えていなかったけど、世の中の絶えて桜の…、桜ではなく桔梗だけれど、ガラシャが居ることで心を痛めること(歌仙が?地蔵が?)を示唆しているということか。
古今が登場するときの「あまつかぜ」は、雲の通い路吹き閉じよ…から?
天女が帰る道を閉ざしたい(=ガラシャをここに留めたい)は考えすぎかな、単に「古今伝授の太刀」に古今集の和歌を詠ませたかったのか。
古今が地蔵をとても心配し、地蔵を斬ることができないというのは細川の縁か、政府刀の傷か…まぁ、他の刀剣男士も歴史上の人物を少し助けたくらいで裏切りだと、すぐに斬ったりできる子はいない気がするけど。
地蔵@星元さん、美しくて、熱いお芝居をされるところがとても好き。
科白劇以上に、実際にガラシャの手を取り、守る姿が必死で切ない。
地蔵も、歌仙と同じように元主である忠興や光秀の記憶と心で動いてるんだよな。
ガラシャの刀ではないにもかかわらず、色々な人がガラシャを想った心が刀に宿り、刀剣男士の行動原理になっているのが今作の面白いところ。

そのほか思ったことメモ
OPで歌仙がスッと懐に手を伸ばして扇子を出すのを見て、そういえば名乗りからそのままOPだから、みんな名乗りのときに扇子を忍ばせていることに気づき。
出陣のときに扇子を持っているとか、雅すぎてとてもテンション上がった。
他の皆はどこに隠し持ってるのかとても気になる。
(花びらもどこに持っているのだろう)