朧月夜の独り言

趣味に関する備忘録と少しの日常

WBB ギャングアワー

WBB vol.20.5 「ギャングアワー」行ってきました。


信頼のWBB公演。
1時間40分のシチュエーションコメディ、アクションもあり、楽しかった。

シアター・アルファ東京は初めて行った。
電車からよく見る、外観が特徴的なあのビルに劇場が入ってるなんて知らなかったー。

 





舞台はギャングのアジトのワンシチュエーション。
大崎@真白さんと、赤羽@川﨑さんが身代金目的の誘拐をするも人違い。
間違えたことがリーダーにバレたら殺される…。
二人は、人質の田中@飯塚さんと協力しながらこの場を切り抜けようと画策するが、それがきっかけとなり、それぞれの思惑によってチームを揺るがす大きな出来事に発展していく。

序盤は人違いを隠そうと、身代金要求の電話を誤魔化したり、仲間の目を盗んで作戦を考えたり会話劇のコメディ。
後半は、リーダーへの反逆、チームの瓦解、それぞれの思惑が明らかになり、アクション満載な内部抗争の流れに。

渋谷@結城伽寿也さんは、優しい自分を捨て、ずる賢く成功を掴む人間になるためにギャングになったが、優しさを捨てきれずに悩み続けている。
大崎と赤羽に人違いのことを明かされ、リーダーである三鷹を欺かなければならなくなったり、鮫洲に反逆を持ちかけられ、三鷹と他のメンバーの命を天秤にかけなければならなかったり。
優しさを試される場面に何度も直面し、観てるこっちが辛くなる可哀そう可愛い役どころ。
結城さんはACTERS LEAGUEでお名前を知ったので、初めてお芝居を拝見できて嬉しい。

鮫洲@磯野大さんは、居るだけで異質なオーラが出てるような、磯野さんの存在感。
非道で、躊躇がなく、ギャングであることを楽しんでいる、掴みどころのないキャラ。
最後に殺されたフリをしていたのは、あそこで立ち上がっても勝ち目がないからだろうけど、渋谷と敵対することを楽しみにしていたようにも思える。
一人暗闇の中で立ち上がり、ニヤリと笑って去っていくエンディングが最高。
長い手足でのアクション、特に蹴りのモーションが眼福。

大崎@佐野真白さん…可愛い。
「ギャングやってる人にまともな人はいない」というようなセリフがありましたが、なんでこの子がギャングやってるんだろうと思えるくらい真っ当でいい人。
自分の命を危険に晒しても最後まで渋谷と三鷹を信じて行動する、腕っぷしは弱いけど信念は曲げないキャラ。

田中@飯塚大夢さんは、人質として捕らわれ命の危機に怯えたり、大崎・赤羽と協力しあったり、策を巡らす切れ者っぷりを発揮したり、相対するキャラによって芝居が変わって面白い。
クライマックスでホームレスを使って一芝居打つところは痛快。

赤羽@川﨑優作さんは、会話劇のテンポ感、お調子者でポンポン言葉が出てくる感じの芝居がうまい!
思ったことがすぐ口からでちゃうし、長いものに巻かれやすくて、でも最後に田中を逃がしてあげる何だかんだ真っ当な部分が垣間見える。

高田@オレノグラフィティさんの曲者感が良い。
前半はホームレスからもらった食べ物でお腹を壊し続けるネタ要員かと思いきや、後半で一変。
金のために鮫洲の仲間になったと思いきや、実は他のチームからの差し金。
息をするように仲間を欺いていく怖さがたまらない。

鮫洲@加藤良輔さん、久しぶりに加藤さんのお芝居が見れて嬉しい。
加藤さんを最初に拝見したのって本当に10年前とかなので、若手の役者さんたちの中でリーダー役をやっているのが何だか感慨深い。
スーツ姿が良く似合う。

ホームレス@佐野瑞樹さんは、アドリブも織り交ぜて全力で場をかき乱す役どころ。
ギャングたちのやり取りを映画の撮影と勘違いし、恐れずにギャングたちに絡んでいく。
ギャングたちが持っている本物の銃をモデルガンのように扱う場面は、ホームレスの無邪気さと、ギャングたちの本気の焦りと緊張感が伝わってきてこちらもドキドキ。

ホームレスのストールが帽子に引っ掛かり、メリー・ポピンズの帽子みたいになるハプニング笑
瑞樹さんがラストまでネタを引っ張り、みんな口元がにやにやしているのが楽しい。
そのシーンに関わっていなかった磯野さんは、カテコで「メリー・ポピンズって何!?」と困惑のコメント笑