朧月夜の独り言

趣味に関する備忘録と少しの日常

エリザベート2022①

ミュージカル「エリザベート」2022帝劇初日。
おめでとうございました!!



無念の2020年から2年越しの幕開け。
本当に本当におめでとうという気持ちで会場の熱量もすごかった。





キャスト組合せ
エリザベート花總まりさん
トート :山崎育三郎さん
フランツ:田代万里生さん
ルドルフ:甲斐翔真さん
ゾフィー涼風真世さん
ルキーニ:黒羽麻璃央さん


美しくてダークで、大好きで思い入れのある演目。何度見ても楽しい。
「我ら息絶えし者ども」が始まると、いよいよ幕開けの気分が上がる。
子ルドの「ママー何処へー」突き抜ける歌声に鳥肌が立つ。

何といってもまずは、育三郎トート閣下の誕生!!
誕生に立ち会えた奇跡。
TVとかコンサートで何回かトートの曲を歌っているのは見てきたけれど、舞台で演じられるとまた違う。
シシィが堕ちてくるように仕向けるような仄暗いトート閣下をイメージしてたし、実際ねっとりとした感もあったけれど、想像よりも情熱的なトート様。
シシィに向ける歌の端々に深い愛しさと、愛されたいという熱を感じる。
カラコンしてる?からか、時々無表情っぽく見えるところが恐ろしい。
登場の仕方が陰に潜んでいてぬっと出てくるような人外感…最終通告の場面で椅子に手をかけながら顔をのぞかせるのとか不気味にさえ見える。
歌唱力は言わずもがなですが、どのナンバーも最高。
特にやっぱり「最後のダンス」はパワーに圧倒される、かっこいい、語彙力失う。
最後のダンスの膝をついて迫るような振り付けが好き。
memo
・シシィが生き返ったとき、ハッとするように口元に手をあてる。
・子ルドから受け取った銃を自分のこめかみにあてる。
・体操室の「待っていた!」は育トート様も元気

黒羽さんルキーニ
帝劇デビューおめでとうございます。ルキーニ楽しみに待ってました!
最初は緊張してたのか、声量も他の人と比べるとあと一歩ほしいなとか、動きも固そうだなと心配になったけど、「退屈しのぎ」「ミルク」あたりから乗ってきた印象。
声も動きも伸びてきて、目には狂気が増していく。
(ファルセットがある曲がちょっと苦手そう?)
千秋楽までまだ化けそうで楽しみ。
ルキーニは歌よりセリフが多いし、説明や場面の雰囲気の肝だったりもするしで大変だけど頑張れ…!という気持ちで観てしまう。(.5出身の人たち見ると謎の親心が湧く)

甲斐さんルドルフ
甲斐さんも帝劇デビューのようで、おめでとうございます。
2019年版とはまた違った雰囲気のキャスティングでルドルフがどんな感じになるのか楽しみだった。
甲斐さんのルドルフは、子ルドがそのまま大きくなったようなか弱さがある。
不安げで、すがるように視線をさ迷わせ、身長は育トートより高く見えたけどうつむき加減に体を縮こませている感じが余計に頼りなげに見える。
ハンガリーの王冠を提示されたとき、やっと安心したような、希望を見出せたような表情。
マイヤーリンクで銃を渡され、死の選択肢が現れたときも、死ぬことは怖い、けど生きることも恐ろしいと、生死の恐怖を天秤にかけて死んだような。
ルドルフって死を提示された瞬間笑って救われるようなお芝居される方もいるけど、甲斐さんルドは生にも死にも救いが無い感じ。

お花様のシシィは美しい。
変わらず、愛らしい少女のシシィから、美しい皇后陛下を演じられるのがすごい。
1幕ラストの白いドレス姿は絵画。
田代さんのフランツも安定。
真面目だからこそ母の言い付けも、妻の言い分も、掟も、勤めも、受け入れようとして破綻してしまうような、誠実で少し堅物っぽい雰囲気のあるフランツ。
続投キャストの安定感。
エリザベート観てて、いつも一番うるっとしてしまうのが二人の「嵐も怖くない / あなたが側にいれば」と「夜のボート」。
お互い最初は想い合っていたし、決して最期まで嫌いではなかったはずだけれど、王家という環境によってすれ違ってしまったことが切なくて。


カテコでは花總さんからご挨拶。
2年半前に直前で中止となってしまったこと。
それからずっと時が止まったようで、やっと動きだしたこと。
このカンパニーの使命は1月の公演まで、公演を欠かすことなく、誰も欠けることなく上演すること。
言葉に詰まりながら話される姿を見て、ファンとしても中止は辛いけれど、やっぱりそれ以上に作り手側の方が辛いというか、何か月もかけて作り上げてきたものが無くなるのは堪えるだろうなと。

初日なので小池先生もご登場。
シシィの最後の歌詞にもあるように、色々なことがあったと振り返れる日がくる…ということをお話されていたと思ったけど。
途中で歌詞をお花様にフォローしてもらいながら、最後に「先生が書かれたんですよ?」とツッコまれてたのが面白すぎて内容の記憶が飛んでしまった笑