朧月夜の独り言

趣味に関する備忘録と少しの日常

エリザベート2022⑨

ミュージカル「エリザベート」2022
11/19ソワレ。

 

 

キャスト組合せ
エリザベート:愛希れいかさん
トート :山崎育三郎さん
フランツ:田代万里生さん
ルドルフ:甲斐翔真さん
ゾフィー香寿たつきさん
ルキーニ:黒羽麻璃央さん


今日の公演、甲斐さんのルドルフにとても惹かれた日でした。
お芝居が変わったのか、自分の精神状態か、たまたま琴線に触れる表情を捉えることができたのが今日だったのか。
やっぱりお芝居って一期一会。
特に双眼鏡で表情まで見ようとすると部分的にしか切り取れないから、本当にその日、誰を・どこを見るかで感じ方が変わってくる。
甲斐さんのルドルフも何回か拝見しているけれど、今日が一番心に響いた。

「闇が広がる」の目を瞑って歯を食いしばるようなぎゅっとした表情や、「ハンガリー国王!」で笑顔で独立運動に突き進んだり、帰ってきた母に「ママなら説得できる!」とまだ道は残されていると希望を見つけた表情だったり、最後には見捨てられて呆然としたり、表情豊かでどれも全力。
以前見たときは、ハプスブルクを滅亡から救うための手立てを模索する中で、反逆者ではなくハンガリー国王の地位が約束されている安心感の笑顔のように感じたけど。
今日は、独立運動を成功させて国の滅亡を救うことで両親に認められたい、まで感じさせるような独立運動への前向きさというか、流されるままではなく意思を感じた。
キラキラと生命力に溢れた“陽”に全振りしているルドルフが愛しくて、もっと生きてほしくて、連れて行かないでと泣いてしまった。

ルドルフは死が友達であり運命の“陰”寄りのイメージで、死が救いであるかのように儚く命を散らすルドルフも美しくて好きだけど。
2019年の木村達成さんといい、私は生きる気力に溢れていて、それでも抗いきれずに銃を手に取ってしまうルドルフが好きみたい。
生きてほしいと願ってしまう。


memo
・オープニング、亡霊たちが踊る中でルキーニ中指立ててた?
 「ミルク」の“ハプスブルクの終わり”のところでサムズダウンしてた気がするし、どんどんアグレッシブになってる気がする。楽しい。
・目覚めたシシィに気づいてもらえた山崎トート、2歩くらいシシィの方に戻ってて可愛い。めっちゃシシィに近づきたがってる。
・「あなたが側にいれば」で険しい顔で義務の話をしていたフランツが、シシィの“あなたがいる”でふわっと笑顔になる。
 フランツはきっとこの時からずっと、愛があれば、二人一緒にいれば困難も乗り越えられるし傷も癒せると信じてるんだなと。
 いつもこの曲を聴くたびに「夜のボート」を思い出して切なくなる。
・シシィの「エーヤン!ハンガリー!」に対して、民衆が「エーヤン!エリザベート!」で返したとき、シシィが一瞬驚いたあとに笑顔でフランツの方を向く。
 三色旗ドレス、シシィが提案したのかなとか想像が膨らむ。
 民衆の気持ちを得られたこと、自分の存在が認められたことの喜びに見える。