朧月夜の独り言

趣味に関する備忘録と少しの日常

beats per minute CHAIN LIFT

bpm15周年記念公演「beats per minute CHAIN LIFT」行ってきました。
開幕が遅れて心配でしたが、初日おめでとうございました。

10周年記念公演の「beats per minute」の続編。
単体でももちろん面白い、浅沼さんの絶品の脚本!
コメディ&サスペンスのドキドキの展開に、散りばめられた伏線が見事。
前作やbpmを知っているとさらにニヤリとできるネタもあったり。
とても気軽に見れる楽しい作品なのでオススメしたい。

ネタバレ感想は後日。

bpm-home.jp

 

公演終わったのでネタバレ追記




前作ではCIAに追われる立場だった「唯一無二のチーム」が、今度はCIA所属となりテロリストを追う物語。

CIAサイドは“人を殺さない”ことを条件に同じチームで活動中。
前作も、物語ももちろんのことながら、キャラクターたちも魅力的で大好きだったので、再び皆がわちゃわちゃしている姿が見られて嬉しい。
お好み焼き イタリア」など前作からの続きのネタがあるのも面白い。

テロリストサイドは、表向きは美術館などで作品を汚し「環境活動家」、裏では研究所を襲い遺伝子研究のデータの盗難を行っている。
美術館・環境活動というかなりタイムリーな時事ネタが入っていて驚き。
データを戦争で売りさばき一儲けを企んでいるチームメンバー、別の目的を持つリーダーのポーカー、元AWARDSのメンバー・ルーレット。
組織として活動しているけれどそれぞれに目論見があり、二転三転と謎が解けていくのが楽しい。

bpmファンとしては、谷口さんが「元AWARDS」という設定によって前作同様にbpm(元)メンバーは実際の立ち位置と同じということが分かったので、笹岡さんは後々CIA加入するのかなとか、元リーダーはサングラスで顔を隠してるけど伊勢さんだなと想像ができるのが楽しい。

アカデミーの弟・ラジーも、前作はアカデミーに扮しての登場でしたが今作ではラジーとして登場したことが嬉しかった。
前作DVDのコメンタリーでも、アカデミーとラジーの性格はあまり似ていないようなことを話されていたので、今作ではその設定がガッツリ出ていた感じ。
アカデミーは終始クールだけど、ラジーは駄々っ子で、“リーダー”と呼ばれると調子に乗っちゃう直情的な性格。

名無し@笹岡さんの加入や、ルーレット@谷口さんの脱退の物語もありつつ、クライマックスはポーカー@上田さんの物語へ。
遺伝子研究から自分を捨てた母親を作ろうとしているのでは…というCIAの見立てに対し「何を言っているんだ!?」と返すポーカー。
上田さんのお芝居 + 浅沼さん脚本のキャラクターが「何だ??」と疑問を口にしているときって、騙そうとか欺こうとしているより、本気で訳が分かっていないことが多いので、これは母親じゃないな…とは察しましたが。
まさか恐竜が出てくるとは予想外!
恐竜を甦らせ、世界をやり直そうというポーカーの壮大な計画…想像を超えてくる脚本に脱帽。

そしてラストにルーレットの目的が明かされるところも驚き。
テロリストになったのは集団に両親を殺した犯人に近づくため。
クリスマスにサンタに扮し町に繰り出したルーレットは人込みに紛れて仇を殺す、というダークなエンディングにゾクリとする。
幸せそうに行き交う人の間に現れたサンタが何をするのか…ホラーではないけれど何が起こるのか予想できない緊張感のあるドキドキが怖くもあり、楽しくもあり。
そしてサイレンサーから漏れる銃声にゾクリとする。

色々な「ドキドキ」を味わえる最高の脚本でした。