朧月夜の独り言

趣味に関する備忘録と少しの日常

刀ステ禺伝③

「舞台『刀剣乱舞』禺伝 矛盾源氏物語」3回目。
2/12夜公演、行ってきました。

東京千秋楽おめでとうございました。

たまに宝塚が見たいなと思ったときにはいつも洋モノ選んでいたけど、和モノの演目も見てみたくなった今日この頃。




ネタバレ感想。


今日の席は舞台が引きで見える席だったので3回目にして全景。
刀ステはいつも、最初はストーリーや伏線に意識が行きがちで、内容が頭に入ってくると登場人物たちに感情移入できるので、回数を重ねるほどにキャラが愛しくなっていく。
今作も変わらず、どんどんキャラへの思い入れが強くなって、もう東京千秋楽なのが惜しい!


今までの感想とかぶるところもあるかもしれないけれど、思ったことを。


オープニングの、御前が足を上げる振り付けが美しくて何度見ても良い。
敵にガンガン蹴りとか入れてるやんちゃじじいの御前も良いけど、ヒュッと相手の眼前スレスレに蹴りを入れて怯ませるようなスマートな戦い方もしてそう~~と、想像が広がる。

歌仙の源氏物語講座のとき、やっぱり御前と姫鶴何か話してそう。
すすっと“姫ちゃん”に寄って行って話しかける御前と、座ったまま御前を見上げる姫鶴につい目がいってしまう。
あと、源氏物語五十四帖を紹介する曲が好きで耳に残る。
五十四帖のタイトルを並べているだけだけれど、曲のリズムと単語の美しさの耳心地が良くて覚えたくなる。
そしてあれだけの女性に囲まれても存在感を放つ光る君、むしろ女性といることで引き立つとさえ思えるくらいのかっこよさ。
実際には、歌仙が桐壺から夢浮橋まで順番に言っていて、南泉がひたすら数えてるんだと思うとギャップがあって微笑ましい。
源氏物語の予習を怠ったことをお頭にたしなめられた南泉が、しゅんとして座る先が姫鶴の隣なんだよね。
南泉がこういうときに頼るのは姫鶴なんだという、兄弟感。

今まで綺伝の部隊編成が落ち着いていて良い人選だなと思っていたけれど、禺伝部隊の編成も安定感があって好き。
男士同士でぶつかり合っているのもドラマがあって楽しいけれど、私は平和にやっている編成の方が、ストーリーに集中できるので好み。
一文字一家はお頭は達観して落ち着いて見守ってくれていて
その分、御前が朗らかに場を和ませてくれる。
姫鶴は重いとかなんとか言いながら、ちゃんと団体行動してくれるし、歌仙と大倶利伽羅が偽りの歴史を付与されていることに対して「騙してるみたい」と乗り気じゃないかったりするところが真っ当な感覚を持ってる常識人だなと思った。
南泉は本当に根が良いヤツ、明るさは御前譲りかな。
歌仙と大倶利伽羅は、今回大倶利伽羅から伊達の物語が無くなってしまって本来の関係性ではないのところが平和の一因なので、本来の二人になったときにどうなるのか気になるところ。
部隊長として冷静になるタイプの歌仙か、部隊長として大倶利伽羅を叱るタイプの歌仙か…七海さんの歌仙は前者で、わだくまさんの歌仙は後者っぽいイメージ。

光源氏が女たちに殺されそうになってもなお、(殺されることが目的なので当たり前かもしれないが)、末摘花に「そんなに泣いたらますます鼻が赤くなってしまう」という言葉をかけるように、彼女たちに優しく接するのがとても好き。
美しい自分と関係を持てたのこと自体が幸せだろうという傲慢で自意識高く、空蝉の章で南泉がツッコミを入れていたように「何だコイツ」と思うような人物なんだけれど、それでも絆されてしまう、ひたすらに優しい“光源氏“という男の設定。
藤壺への届かぬ愛の代わりの一時の関係だったかもしれないけれど、個々に呼び名を付け一時だけは一人一人に向き合っていたのではないかなと思いたくなる人物。

そして彼女たちの反乱は、自分を捨てた光源氏への復讐だったのか。
捨てられる設定を生み出した作者に対して、物語を改変してやろうというあがきだったのか。

ストーリーは正直、自分の中の正解(納得)を模索中。
・男は歴史上で、亡くなった紫式部を想って自分の周囲の世界(歴史)を改変
源氏物語の世界であるかのように「歴史を改変」
・架空の歴史ではなく「物語」をベースにすることで世界を強化
・男(歴史改変した本人)を殺すことで改変を阻止
・よって、物語(改変された部分)の人物や町が消える
・男の遺体だけが残った状態が元の「史実」の状態
源氏物語に飲み込まれるという歴史改変は阻止できた
・けれど、男の骨は光源氏のものとし埋められしまった(ここだけ改変阻止失敗)

“物語の中“は、登場人物たちが歴史上の人物に成る条件、自我を得るタイミングはわからず、考えるほど「矛盾」してくる…というのが正解なのか。

今作のビジュアルが出たときから気になったのが、歌仙のアホ毛がないこと。
いつも、キャラクターをとてもゲームに寄せているし。
わだくま歌仙さんはアホ毛があるので、造形的に無理があるわけでもないし。
今までビジュアル(シルエット)が同じ「別本丸」の男士も出てきているので、別本丸としての差別化という線も薄い。
「別の物語を付与」というところで顕現にバグが出ているのか。
他の男士はパッと見、ビジュアルに変化は無さそうだけど…うーん…。
あとマントも若干長いような気がするけど、それはわだくまさんに比べて七海さんが細身だからそう見えるのかな。

あ、ずっと書こうと思って忘れてた。
オープニングタイトルコールの時の大倶利伽羅の座り方が好き。

御前が沖田総司のことをよく話す(天伝の加州もそうだった)ので、今後慶応甲府がくるのではないか、という期待が高まる。


東京楽日だったので、光源氏&刀剣男士キャストさんからご挨拶があったのが嬉しい。
さすが宝塚OGのみなさま、言葉遣いが美しく、何の心配もない安定感の振る舞い。
若俳さんは時々(よくない意味で)ドキッとされらせることあるから笑)
汐月さんの「皆さんもピン立てたりしっかりやりましょう」というような、フラットなコメントが微笑ましかったり(そしてゲームやってくださることがありがたい…!)
麻央さんが客席に「小鳥」と言った瞬間、客席から「きゃあぁぁ」と抑えきれない声が上がったのが(私もだけど)、何とも言えない華やかな雰囲気を感じて嬉しかった。
何と言うか、男性キャストに対してあげる悲鳴とはまた雰囲気が違うし、女性キャストに対してだからこそ上げられる声ってあるよなと。
そして七海さんの座長の「東京の章」が執筆完了しましたというご挨拶が可愛い。
綺伝のときも花に例えて挨拶されたり、作品に合わせてくださるのがまた嬉しい。


あとは大千秋楽のライブビューイング!
無事に千秋楽まで完走できますように。