朧月夜の独り言

趣味に関する備忘録と少しの日常

キャッテリア

Stray Cityシリーズ「Club キャッテリア」
5/13 夜公演行ってきました。

straycity.com





ネタバレ感想




日テレの「ろくにんよれば町内会」からの派生企画なのかな。
荒牧さんプロデュースということで観劇。

物語の舞台は「カブキマチ」にあるホストクラブ。
詐欺に遭った心労で亡くなった母の「嘘をつかずに生きなさい」という遺言によって、嘘をつけない体質になってしまった主人公・クロは、母の店を買い戻すべく、親友・ミケと共に野良生活をしながら金を稼いでいた。
ある日クロは、「Clubキャッテリア」支配人・ラグドールにホストにならないかと誘われる。
客に“嘘”で夢を見せるホストを嫌っていたクロだが、ナンバーワンホストを決める大会「ホワイトナイト」の賞金と、キャッテリアのホストたちの姿を見て、自分も頂点を目指すことを決意する。


「野良」「小判」などの言葉が飛び交い、猫の世界の擬人化のようにも見える不思議な世界観。
リアルなホストクラブというより、猫という設定を加えてファンタジー感というか、マイルドな雰囲気を出したいのかな。(リアルなホストクラブを知らないけど)
クロは野良なので種別はないけれど、白服ホストの役名は猫種そのまま。
ミケは野良に見せかけて本当は良いお家のお坊ちゃんだったというのは、オスの三毛猫は希少というところで実はただの野良ではないという伏線だったりして。

主軸として嘘を嫌うクロが、誰かを想うがゆえの嘘、嘘の裏には隠しておきたい心・体の傷がある、ということを知るというのは良かった。
けれど、嘘は必ずしも悪ではないと知ったクロがどう変わって白服になれたのか、店を買い戻して復讐したいという目標はどうなったのか、そこが描かれずにエンディングになってしまった急展開がもったいない。
シャムのセリフに「頭の中で思うのは自由だけど、口に出すな」というのがあったけど、まさに。
嘘をつかないことと、本音を声に出すことは別だけれど、クロが全てを言葉にしてしまうのは野良ゆえの無作法なのか元来の性格なのか。
子供っぽく見えたクロが一人前のホストしてどんな振る舞いをするようになったのかが気になる!
嘘をつけない体質が治ったという描写は無いので、口に出す言葉をコントロールできるようになったのかと想像するけど。

過去や真実が小出しにされるところが若干間延び感があるので、ライブパートはラストに凝縮して、ストーリーをもう少し追加しても良かったんじゃないかなとも思う。
登場人物が多いのでそれぞれの深堀りは難しいかもしれないけれど、成長したホストとしてのクロの姿は見たかった。
…ブルーの教えを受けたミケの姿も見たかったか。

色々なキャラがホストをする理由を語るけれど、個人的にはスコティッシュの「キャバクラ行くため」というシーンが人間味があって好きだった。
「あの子もきっと嘘ついてるけど楽しい」と、嘘をつかれる側の幸せを、さっぱりと楽しそうに話すスコ@廣野さんのお芝居が良い。

元々、ホストという設定を知った段階で、物語性よりホスト的なパフォーマンスがメインになるかなと想像していたので、物語に関しては思っていたよりしっかり設定があったなという印象。
だからこそ、最後まで設定を回収してほしかったなぁ。


ライブパートは楽しかった。
発声OK、客席降りありという演出ができることが感慨深い。
2階席だったので客席降りはなかったけれど、近くまで来てくださったり。
ジャンプして2階席に近づこうとしてくださったの嬉しかった。
近くに来ると手すりでキャストさんが持ってるペンラしか見えないのに対して、田中さんだけちゃんとお顔が見えて改めて身長高いなぁと。
ラグドール@荒牧さんの「俺の胸に飛び込んでおいでよ」の振り付けが、一回目は両手をめいっぱい広げて、アンコールでは自分をぎゅってしてるのが可愛かった。

セットがキャットタワーっぽいのも猫という設定が生かされてて可愛かった。
最上段で、座って柵にもたれかかってる荒牧さんがとても猫っぽくて、やっぱり仕草なども寄せてるんだなと思った。
ただ段差が多いので怪我に気を付けて…!と思ってしまう。

「Stray Cityシリーズ」とあるけれど、どういう括りのシリーズなんだろ。