朧月夜の独り言

趣味に関する備忘録と少しの日常

TQY

高橋悠也×東映シアタープロジェクト TXT vol.3「TQY」
7/16夜公演行ってきました。

1時間半に凝縮されつつ、サクッと気軽に見られるサスペンス。
キャストさんも、舞台でよく拝見するメンバーに特撮で知った方々に、嬉しい組合せ。
推理劇なのでネタバレ感想は後日にしますが面白かったです。

▼ネタバレ感想追記


www.txt-theater.jp



ネタバレ感想


 

玩具が所狭しと並べられた一室で繰り広げられる密室劇。
高橋さんお得意の?入れ子構造で、設定が二転三転変化していくのが面白い。
最初はマンションの一室のように始まり、実は女子大生殺害の殺人犯の精神鑑定のための箱庭、と思いきや多重人格者の脳内へと変化する。
主人格の記憶のないところで別人格が殺人を犯し、どの人格が殺人犯かを探る推理ゲームが繰り広げられる。
しかし、実のところ殺人犯は全く別の人間。
殺された女子大生は主人格(ヘロー)の恋人で、犯人への復讐心に駆られた主人格に対して、別人格(DRX)が殺意・狂気を自覚させ殺人を踏みとどまらせる、で良いのかな。
箱庭療法の推理ゲーム自体が、DRXがヘローに対して仕組んだ「お医者さんごっこ」。
最後の殺人の真相がモノローグでの説明だったのがちょっとあっさりでもったいなかったけど、多重人格の脳内の物語がメインだから、そこは切り離してってことなのか。

なんとなく、「同じ部屋に住んでいる」「半年の記憶が無い」「フィギュアに人格を宿らせる」といった情報から多重人格かなとは途中で想像がつくけど、殺人犯という設定自体が「ごっこ」とさらにもう一転するのが楽しい。
登場人物たちも自分たちが人格だということをすぐ理解してくれたり、物語もテンポ感も良い。

気になったところは色々あるけど、結局全ては「脳内」で起こってる「ごっこ」というところなんだよね。
殺人事件の記事は出てるけど犯人逮捕は出ていないと思い込んでいるが、現実ではストーカーが殺人犯と判明しているのも、そもそも「脳内」で起こってることだから、そこで使ってるスマホも現実のものではない。
かつ、自分が殺人犯という設定の「ごっこ」だから現実の犯人は出てこないし。
ベルトに血が付いていたのも脳内の設定。

物語を転がしているDRXの真意と、「玩具」の存在意義が掴みにくいけど、幼少期に大切にしていた玩具によってヘローに純粋な心・善の心を呼び戻そうとしている感じかな。
狂気は凶器(凶器は狂気)、その気になれば人を殺せる。
皆が玩具でDRXを攻撃するが、ヘローは玩具は殺人の道具ではないと玩具を取り上げる。
ヘロー(小西さん)のアイテムがヒーローベルトだったけど、横に本当に変身してた人がいると微笑ましくなっちゃう。

殺人を巡るサスペンスなので殺伐とするシーンもあるけれど、一人の人間の肉体を共有する人格として和気あいあいとするシーンもあるのが束の間の癒し。
とくに、FWMVP(木原さん)が、メインじゃないところでも色んなキャラと絡んでるのが可愛くて気になる。
ラストの対決コーナーは日替わりかな。
真剣白刃取り、小西さんvs近藤さんは小西さんが取り損ねて負けてましたが。
木原さんvs高木さんは木原さんが見事受け止めて勝利。