朧月夜の独り言

趣味に関する備忘録と少しの日常

ハリー・ポッターと呪いの子

舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」
8/26昼公演行ってきました。

ハリーポッターシリーズは特別詳しいわけではないですが、ムーラン・ルージュに続いて友人に誘われて行ってきました。
久しぶりの赤坂ACT…!

www.harrypotter-stage.jp




ネタバレ感想



ネタバレ感想と言いつつ、来場のお礼メールにはストーリーのバレ禁止っぽいことが書いてあったので、内容には深くは触れずにざっくり。
公演前にも、もうすぐ観劇日ですよとメールが来たりホリプロさんは(他の舞台でも)そのあたり凝ってる。


演出は本当に魔法のようで、場転が多いけれど転換も演出の一部になりとても綺麗。
ロングランでやっているのでシステマチックなギミックが多いのかと思っていたけど、人の手でやっているのかなとアナログっぽっさを感じるところも多かったのが意外。

物語は結構重めな親子もの。
ハリーの息子・アルバスは魔法界の英雄である父の存在にプレッシャーや劣等感を抱き、また、ドラコの息子・スコーピウスはヴォルデモート卿の息子という噂によって学校でいじめを受ける。
親が有名すぎるが故に、良くも悪くも周囲から好奇の目を向けられる二人の友情と成長の冒険譚であり、二人と父親との親子の物語でもあり。

ポッター親子は似た者親子。
お互いに「相手は自分のことを嫌っている」と思い込み、脊髄反射で言葉を発することで相手を傷つけ、さらに溝が深まってしまう。
アルバスの父に対する感情は客観的に見ても色々と入り混じっていて、それを内に抱えるのはきっと苦しい。
父のように自分も世界や人々を救えるという自信や、実際には魔法の成績は芳しくないこと、父から向けられる愛情が「子」に対するものではなく「ハリーポッターの息子」という自分本位に感じられること、重荷と憧れと愛情への飢えでフラストレーションが溜まっているように思う。
ハリーは父親としての振る舞いがわからず、権力を使ってでも息子を束縛することが「守ること」だと愛情が暴走気味。
大貫さんのお芝居は純粋さをとても感じるので、より一層、傍から見たら愛情が不器用で少し歪んでいると思うところも、ハリー本人は至って真剣で正しいと思ってるんだろうなと感じる。
でも、アルバスもスコーピウスを始め、他者と会話するときに自分のことを中心に語るから自分本位なのも父親譲りなのかもな。

マルフォイ親子はポッター家ほど関係性は歪んでいなさそう。
アルバスは父(ハリー)の子に生まれたくなかったと言うけれど、スコーピウスは血筋を厭う発言はあるけれど父を悪く言うことは無かった気がする。
父からの愛情は理解しているけれど、血筋はどうすることもできない無力感、人生・運命は既に決まっていて諦めてるよう。
ドラコは見た目通り、口下手な父親なんだろうなと想像がつく。
某シーンのマルフォイ親子のハグで、なかなか息子から手を離さないドラコがとても良かった、言葉以上に行動が心配と愛情を物語っている。

父親同士は対立関係にあるアルバスとスコーピウスの友情はベタだけど美味しい設定。
息子を通して、ポッターとドラコの関係も歩み寄るところも含めて。
息子二人の冒険譚はまさに「ハリーポッターシリーズ」という感じで、(勇気と無謀は違うぞと言いたくなる場面もありつつ)知恵を駆使して立ち向かうところは気持ちが良い。
親世代の頼もしさも感じられてクライマックスは熱い展開で面白かった。